長期的な人材育成が難しい成長フェーズにおいては、経験豊富なプロ人材の存在が事業成長のカギです。的確な人材をタイムリーにご紹介いただけることも大きなメリットです。
Customer profile

ピーク・エナジー・ジャパン株式会社
代表取締役 佐藤 英治様
再生可能エネルギー事業において、投資判断を支えるファイナンス基盤の構築は成長を左右する重要テーマです。
本記事では、ピーク・エナジー・ジャパンが直面した「ファイナンス機能の空白」という課題を、Warisのプロ人材活用によって短期間で解決した事例をご紹介します。
複数のプロジェクト会社を含む会計業務を整理し、資金需要モニタリング体制を確立。わずか3か月で期待を上回る成果を示し、業務範囲が拡大。その結果、月120時間から140時間へ稼働増加に至りました。さらに、ERP導入や次世代人材育成を見据えた基盤づくりにもつながっています。
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OBJECTIVE 解決したい課題
- 投資を軸とする再生可能エネルギー事業に不可欠なファイナンス機能が存在せず、投資判断を支える仕組みが整っていなかった。
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BENEFIT 得られた成果
- 複数のプロジェクト会社・SPCを含む全会計業務を短時間で整理・可視化
- 資金需要モニタリングとアウトルック作成を確立し、投資判断を迅速化
- 次世代人材育成やERP導入を見据えた持続可能なファイナンス基盤を整備
- スピーディーな成果創出により、外部プロ人材に期待する役割の幅が広がった
空白のファイナンスポジションが事業成長に不可欠だった
─ Warisへのご相談に至った背景や課題を教えてください。
ピーク・エナジー全体として急速に拡大が進んでおり、日本拠点も同様に規模を広げてきました。投資を軸にした再エネ事業を展開する上で、ファイナンス機能は非常に重要です。しかし、そのファイナンス機能を実務面から実行し、整備できるメンバーがおらず、まさに「空白のポジション」でした。
複数のプロジェクト会社や特別目的会社を管理し、今後はERP導入も控えている中で、ファイナンス機能の確立は急務でした。しかし、急成長中の組織において、一から人材を育成する時間的余裕はありません。即戦力となる経験者を採用せざるを得ない状況でした。
─ プロ人材以外にも他の選択肢も検討されましたか?
経験者という意味では、派遣社員も検討しましたが、幅広い事務業務には強みがある一方、会計やファイナンスの専門性を備え、仕組みを一から立ち上げる力を持つ方の紹介は困難でした。
正社員採用も選択肢にはありましたが、専門性が高いだけにフィット性の判断が難しく、採用リスクを伴います。特に投資事業では、採用ミスマッチは致命的です。まずは業務委託として実際の働きぶりを確認できるのは、プロ人材ならではのメリットでした。
経験とライフステージの安定性が、まさに求める人材像と合致
─ 人材に期待していたことは何ですか?
会計・経理の専門的な知識があることは前提ですが、単なる知識ではなく、経験に裏打ちされた実践力が必要でした。
最も重要なのは「質問できる能力」です。外部の会計事務所に的確な質問を投げかけ、回答を理解し、私たちがやりたいことに対して「これは確認が必要ですね」「問題があるかもしれません」と判断できる力。これは知識だけでは身につかず、様々な経験を積んだ人でなければ発揮できない能力です。
加えて、新しいポジションの立ち上げでは、会社の変化に柔軟に対応し、一緒に成長していく姿勢が欠かせません。事業の変化に合わせて共に走ってくれるマインドを持っている方が良いと思っていました。
─ Warisがご紹介したプロ人材を選んだ決め手と、お願いした業務について教えてください。
ファイナンス系の優秀な人材で、かつ私たちが採用できる方となると選択肢は限られます。その中で、ライフステージが落ち着き、腰を据えて取り組める経験豊富な人材は、まさに求めていた人材像と合致していました。
面談を通して、Oさんには会計・経理全般の豊富なご経験を、Hさんには管理会計やコントローリングでの実務経験をお聞きし、「この方々なら期待以上の業務をお任せできる」と確信しました。
結果として、Oさんにはピーク・エナジー・ジャパン本体以外の全会計業務を、Hさんはジョインいただいて間もないですが、日本の全エンティティの資金需要のモニタリングやアウトルック作成など、幅広い業務をお任せしています。Oさんには稼働開始後3か月の間にも色々とご提案をいただき、月120時間から140時間へと業務時間を拡大してお願いしています。
契約形態で差をつけない文化が、プロ人材の自律的な活躍を生む
─ 外部からプロ人材を受け入れる上で、工夫されたことはありますか?
当社では派遣、業務委託、正社員、出向者、顧問など様々な形態の方が働いていますが、社内的には全く差をつけていません。みんな同じチームメンバーです。
契約形態の違いで差をつけると、かえってやりづらくなります。重要なのは、期限までに質の高い仕事をしていただくこと。働き方についても、在宅勤務や完全フレックスで柔軟に対応しています。成果重視の働き方が、プロ人材の力を最大限引き出していると感じています。
プロ人材が築いた基盤が、次の成長ステージへの礎になる
─ プロ人材がジョインしたことで、どのような成果がありましたか?
任せた業務を自走して進めていただけるだけでなく、「こうした方が良いのでは」と提案までいただき、それをチーム全体で検討し実行に移すというサイクルが生まれました。業務の領域をどんどん広げてもらい、期待以上の成果につながっています。シンガポール本社との英語でのやり取りもスムーズに対応いただき、隠れた力も発揮していただきました。
結果として、これまで空白だったファイナンス機能が稼働し、会社全体の成長スピードを一段押し上げる基盤が整いました。これこそプロ人材活用の真の価値だと実感しています。
─ 今後のファイナンスチームに向けて、どのような展望を描いていますか?
これからはERP導入やAI活用を進め、さらなる体制強化が必要になります。プロジェクトが増えればチームの拡大も不可欠ですが、OさんやHさんのような人材がいれば、新しく入る方の育成役を担っていただくことも可能です。状況に応じて採用のレベル感を調整しつつ、仕組みづくりと組織づくりを前に進めたいと考えています。
長期的な人材育成が難しい成長フェーズにおいては、経験豊富なプロ人材の存在が事業成長のカギです。業務委託という形で実際の働きぶりを確認しながら進められる点も安心材料であり、的確な人材をタイムリーにご紹介いただけることも大きなメリットなので、今後も積極的にWarisのプロ人材を活用していきたいと思います。
担当コンサルタントより
当社がOさんご本人と面談した際、「自分の強みは小規模企業での一人経理的な役割にある」と語られていました。今回「こういう人っているだろうか?」とご相談いただいた空白ポジションのイメージと、まさにぴたりと一致していました。実際の稼働でも、手探りで進めながら自走して成果を出すスタイルが強みとして発揮されたマッチング事例だと思います。
※本インタビューは2025年9月に実施したものです。
- ピーク・エナジー・ジャパン株式会社
- https://www.peakenergy.asia/ja
- ■設立/2020年5月
■会社概要/
アジア全域で再生可能エネルギー事業を展開するピーク・エナジー社の日本法人。企業や自治体のニーズに合わせた発電所の開発から運営管理まで一貫して手がけ、安定的な再生可能エネルギーの供給を実現しています。アジア全体で200以上、日本でも複数のプロジェクトが進行中。環境負荷の軽減と持続可能な社会の実現に貢献しています。