Case Study

株式会社Auxilart

採用媒体では届かない人材との出会いから、スピーディーな選考で、バックオフィスを2名採用へ

「接点がない中で、私たちのようなディープテックのベンチャー企業が魅力をアピールする場はないとあきらめていました」

Customer profile

株式会社Auxilart
COO 沖田 慧祐 様

東京大学関連ベンチャー企業・株式会社Auxilart(オキシルアート)のCOO沖田さんに、「東大IPCキャリアスクール」のミートアップを通じたバックオフィス人材採用について伺いました。従来の採用媒体では接点を作ることが困難だった同社が、ミートアップ参加により2名の採用を実現。参加者の質の高さと、事前に一定の情報を共有できる効率性を評価されています。また、ディープテック領域のベンチャー企業における採用成功の秘訣やミスマッチを防ぐために意識することなどを語っています。

  • OBJECTIVE 解決したい課題

    • 人事・労務・経理など幅広い業務を一括で担える人材が必要だったが、従来の求人媒体では接点がなく、そもそも採用できる可能性が低いと感じていた。
    • ディープテックベンチャーということもあり知名度が低く、魅力を伝える場も限られていたため、候補者との接点や自社を正しく理解してもらう機会がなかった。
  • BENEFIT 得られた成果

    • 「東大IPCキャリアスクール」ミートアップを通じ、ベンチャー企業に理解があり、バックオフィス基礎を学んだ参加者と直接交流でき、1ヶ月で2名の採用に成功。
    • 採用した人材がバックオフィス業務だけでなく採用や営業にも積極的に関与し、会社のコア人材として成長が期待できる状況を実現。

Auxilartが挑戦する医薬品の製造プロセスの最適化

「デジタルイノベーションで、R&Dプロセスを加速する」というミッションを掲げ、医薬品の製造プロセスの最適化を実現するため、2023年に創業した株式会社Auxilart(オキシルアート)。

医薬品を作り世の中へ販売するまでの過程で、特に大きくコストと時間がかかる「製造プロセスの開発」。最適なパラメーターを見つけるための実験に多くの時間とコストがかかっていたところを、数理モデルを用いたデジタルシミュレーションにより、医薬品製造プロセスにおけるコスト削減を実現するサービスを提供しています。この技術によって、誰もが革新的な医薬品をより早く・安価に享受できる世界を目指す東京大学関連ベンチャー企業です。

キャリアブランクのある方が、特に大学関連ベンチャー企業のバックオフィス業務に役立つ実務を学べる再就職支援プログラム「東大IPCキャリアスクール」。その「東大IPCキャリアスクール」のミートアップに参加された株式会社AuxilartのCOOである沖田さんにお話を伺いました。

昔からSF映画やアニメが好きで、SFに出てくるような世界を現実にするようなことに携わりたいと思われていた沖田さん。学生の頃から大学発の技術の社会実装に興味を持っていたこともあり、コンサルティング会社での社会人経験を経てベンチャー企業へ転職。後に参加した研究者とビジネス人材をマッチングするプログラムで代表取締役CEOであるキムさんと出会い意気投合。2023年の会社設立2ヶ月後よりCOOとしてフルコミットしています。

接点がないしアピールする場がない…。そもそもあきらめていた

ーーミートアップ参加前の御社の採用に関する課題認識を教えてください。

(沖田さん)シンプルにバックオフィス人材の中途採用が難しいことが課題でした。人事・労務・経理など細かく分けようと思えば分けられてしまうので、まるっと任せられるバックオフィス人材を探すのは難しいなと感じていました。
そもそも接点がない中で、私たちのようなディープテックのベンチャー企業が魅力をアピールする場はないとあきらめていました。

ーー採用媒体は使われていたのでしょうか?

(沖田さん)求人サイトを見たことはありますが、私たちのような名もないベンチャー企業がスカウトを送ったとしても採用できないんだろう、ほとんど不可能だろうと思って、すぐあきらめてしまいました。

ーーそういった状況の中で、ミートアップのことを知ったんですね。

(沖田さん)はい。こんな機会はないだろうと思って即決で参加を決めました。

ーーミートアップにどのようなことを期待して参加を決めましたか?

(沖田さん)いい意味で期待はしていませんでした。ベンチャー企業に理解がある人が参加する場に、このベンチャー企業がいいですよとお墨付きをもらった状態で参加できるだけでもありがたかったので、それ以上何かを期待するということは正直なかったです。

質の高い参加者で一気に課題解決

ーーミートアップに参加されていかがでしたか?

(沖田さん)参加者の方々とお会いしてみて、素敵な方たちばかりだったので、参加して本当によかったなと思いました。参加者・企業側双方向でのコミュニケーションができるプログラムであることもいいですね。
参加したことで接点がないという課題も解消でき、自分たちの会社の魅力を伝える手段がなかなかない中で、主催のWarisさんと東大IPCさんがお墨付きを与えてくれることもとてもありがたかったです。

ーーキャリアスクール生の印象はどうでしたか?

(沖田さん)素敵な方が多いというのもそうですが、何よりびっくりしました。
ベンチャー企業で働くとなると、雇用が安定しなさそう、仕事も忙しくて大変そうといったイメージが一般的にはあると思うんですが、前提としてベンチャー企業で働きたいと思ってくださっていることがすごいなと思いました。それから、バックオフィス業務についてやITといった基本的なことを学ばれた状態で参加されていることもありがたいですね。
まずは業務委託から始めることを考えられている方も多く、働き方の選択肢が多くあるベンチャー企業にとってはマッチ度も高いですよね。

スピーディーな選考で、2名採用へ

ーーミートアップ参加後の選考活動について教えてください。

(沖田さん)実は先日の二回目のミートアップ参加後、さきほどちょうどオファーを出して承諾いただいたところなんです。ミートアップ参加からちょうど1ヶ月ほどで採用が決まりました。

ーー採用決定までのスピード感などはいかがでしょうか?

(沖田さん)一般的な採用媒体であれば、100名を50名に絞って、さらに20名、やっと最後の1名を採用するといった過程がありますが、ミートアップでは最初から20名程度まで絞られた状態からのスタート。さらにお互いが一定の情報を分かった上で会うことができるので、候補者も企業側も楽だしありがたいですね。

ーー採用決定をしたキャリアスクール生について伺ってもいいですか?

(沖田さん)はい。前回採用した方はバックオフィス全般というかたちで、リモートと出社のハイブリッドで週2~3日働いてもらっています。
今回採用した方は、補助金関連や労務周りをメインに助けていただきたいと思っています。

この先も一緒に会社のコアとなって働いてもらいたい人材に出会える

ーー採用した方のご活躍はいかがですか?

(沖田さん)バックオフィス全般で採用させてもらったので、最初は人事労務や経理といった人とお金に関わるところをお願いしていました。でもエネルギーが有り余っている感じで、採用にも関わってくれています。それから、バックオフィスとは全く関係ない営業周りの業務まで意欲的にやってくれています。もうめちゃくちゃ助かっています。

ーー今後どういったロールで活躍してもらいたいですか?

(沖田さん)御本人の希望次第ですが、今後の期待としてはより深く会社のビジネスやカルチャーを理解いただき、より会社のコアな人材になっていただけると嬉しいですね。事業も様々移り変わる中で、今後仕事の内容がどう変わるかは分からないですが、ご本人の特性や強みが活かせる場所で、コアなメンバーとして活躍していただけたらいいなと思っています。

共通の方向性を持つことで採用のミスマッチが防げる

ーーコアなメンバーとして活躍してもらいたい人材を採用できた御社ですが、採用にあたって意識していたことはありますか?

(沖田さん)私たちの会社は、ミッション・ビジョン・バリュー・組織ポリシーを明確に定めています。私たちの会社のように創業間もないベンチャー企業だと、そういったものが定まっていないケースも多いと思います。でも組織作りの根幹となるところが定まっていないと会社に適した人も採れないと思うんです。また明確に定まっていることで候補者の人にも安心していただけると思っています。

ーー会社のミッション・ビジョン・バリューそして組織ポリシーが明確に定まっている御社ですが、詳しく教えていただけますか?

(沖田さん)以下のように定めています。
「デジタルイノベーションで、R&Dプロセスを加速する」というミッションのもと、「DXで、健康とウェルビーイングを向上する」というビジョンを掲げています。また、「利他であれ、誠実であれ、技術者であれ、実行者であれ」という4つのバリューを全メンバーが実現することを目指しています。
それから、他の会社ではほとんどないかと思いますが、経営判断の優先順位となる組織ポリシーも定めています。それぞれどれも高い基準を目指して会社経営していきますが、優先順位を【健康≧生活≧組織≧顧客≧業績】と定めることで、何かあった際の判断基準を明確にしています。

ーー候補者のみなさんからの評価はいかがでしょうか?

(沖田さん)感動してくださる方がすごく多いですね。
組織ポリシーとして一番の優先が「従業員の健康」というところで、ベンチャー企業は猛烈な働き方をするイメージを持たれている方もいるので、そういった方にも安心していただけるのかなと思います。

技術の内容と、会社のミッションやビジョンでアピール

ーーこれから参加を検討する企業へ一言お願いします。

(沖田さん)我々のようにディープテック領域のベンチャー企業は、短期間で技術の内容を深く理解してもらうことはどうしても難しいです。その上で他社との違いをアピールできるところとして、私たちの会社はミッションやビジョンといった組織作りをしっかりしているところが魅力だと思っています。企業側は、安心できるような制度の土台を作って、事前にどんなスタンスを求めるのかを明確にし、スタンス重視で候補者を見ていただくとお互いにとって良い採用になるのではないかと思っています。

ーーそれから、参加を検討する受講生にも一言お願いします。

(沖田さん)たくさんの変化があると思います。その変化を楽しむことができるのであれば、ベンチャー企業での仕事は最高に楽しいと思います!

※インタビューは2025年7月に、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)のご協力により、実施したものです。

  • ■設立/2023年7月
    ■会社概要/
    「デジタルイノベーションで、R&Dプロセスを加速する」というミッションを掲げ、医薬品の製造プロセスの最適化を実現するサービスを提供する東京大学関連ベンチャー企業です。