Case Study

アンドデジタル株式会社

Warisと提携し、Webマーケのリスキリングプログラムを立ち上げ。事業領域の拡大に成功

「事業を通じて社会課題を解決したいと考えている企業にとって、Warisはよきパートナーになる可能性があると思います」

Customer profile

アンドデジタル株式会社
DX教育支援本部 本部長 小城流聖様

中小企業やベンチャー企業を中心に、デジタル活用支援を行うアンドデジタル株式会社。DXが進み、地方の中小企業でもWeb広告の運用ができる人材の需要が高まる中、Warisと提携し、「Webマ+(プラス)広告運用講座」の運営をスタートしました。これまで5回の講座を行い、受講生のうち、講座修了後に就業サポートを利用した方の2割以上がWebマーケティング企業への就業に成功するというめざましい実績につながっています。

  • 課題

    • コロナ禍で社会情勢が変化し、これまで展示会などを通じてお客さんを集めていた業界でも、IT活用を進めざるを得ない状況に。Webマーケティングの専門知識を持った人材が求められるようになった。
    • 地方の中小企業でもWeb広告の運用ができる人材の需要が高まっているが、専門知識を持った人材を採用することは難しい。
  • 成果

    • 従来行ってきた企業向けのDX教育事業に加え、個人向けのリスキリングプログラムを提供したことで、中小・ベンチャー企業の人材不足解消に寄与することができた。
    • モチベーションが高く、再就職後も自走力を持って働ける「ワークアゲイン人材」に就労の機会を創出することで、事業を通じ社会課題の解決に貢献することができた。

Warisと提携し、Webマーケティングのリスキリングプログラムをスタート

中小企業やベンチャー企業を中心に、デジタル活用支援を行うアンドデジタル株式会社。地域経済の活性化を目指すソウルドアウトグループの一員です。2021年、グループ内の組織再編にともない、同社も社名を変えて再出発しました。

DXが進み、地方の中小企業でもWeb広告の運用ができる人材の需要が高まっていますが、専門知識を持った人材を採用することは簡単ではありません。

「私はDX専門のオンラインスクール事業に長く携わってきました。主に企業の従業員の方々に向けたサービスを提供していたのですが、このプログラムを個人の方にもご提供し、人材を育成することで、地方の中小企業の人材不足を解決することができるのではないかと考えるようになったのです」(DX教育支援本部・本部長の小城流聖さん)

そこで同社は、以前からつながりのあったWarisにご相談。両社が提携し、2019年から、個人がオンラインでWebマーケティングの知識を学び、再就職や仕事獲得を目指す「Webマ+(プラス)広告運用講座」の運営をスタートすることになりました。

「Warisには、育児や介護、パートナーの転勤などで一度は離職したものの、再就職を目指す女性のキャリア支援をしてきたノウハウがあります。Webマ+の参加者たちも、多くがそのような『ワークアゲイン人材』です」と小城さんは言います。

Webマーケティングを手がける企業は、ほかの業界に比べ、リモートワークの導入が進んでいる場合が多いのが特徴です。「Webマ+の参加者も、仕事と育児や介護を両立するため、知識や技術を身につけてリモートワークで働きたいという方が多いですね。これまで経験してきた仕事も、プログラムに参加する理由もさまざまですが、共通しているのは学ぶことへのモチベーションの高さです」(小城さん)

これまで既に5回の講座を行い、受講生のうち、講座修了後に就業サポートを利用した方の2割以上がWebマーケティング企業への就業に成功するというめざましい実績を上げているWebマ+(プラス)。どのような講座なのでしょうか。

社会人経験を持つ「ワークアゲイン人材」は再就職後の「自走力」が高い

「マーケティングには『集客』『接客』『再来』という3つの要素があります。Webマ+は、このうち『集客』にポイントを絞った講座です。専門用語などの基礎知識から始まり、Web広告の構造や、顧客の購買行動に沿ったマーケティング知識、管理画面の操作方法などを身につけていきます」

プログラムは、すベてオンラインで受講。動画で学んだ後、課題に取り組んで提出すると、専任の講師からフィードバックを受けることができます。個別の面談のほか、slackでのチャットサポートも行っているそうです。

「参加者はほぼ全員、Webマーケティング未経験者ですが、講座を修了した方は、みんなしっかりと実務ができるようになります」と小城さん。講座を修了すれば、希望者は就業サポートも受けることができます。

これまでの参加者は、Web広告を手がけるマーケティング関連の企業や広告代理店、Webメディアを運営する企業などへの就業が決まっています。

「およそ1ヶ月半の研修期間を通じ、参加者の人となりをじっくり知ることができるのが、このプログラムの特徴です。その方がどれくらいの時間をかけて学習し、課題に取り組み、どう成果につなげたのか。仕事に対し、どんなモチベーションを持っているのか。データと対話を通じて把握することができるので、企業、参加者双方のミスマッチを減らすことができると感じています」(小城さん)

実際、Webマ+(プラス)を経て就業した方は離職率が低く、ほとんどの参加者が講座終了後に決まった就業先で働き続けています。

「ソウルドアウトグループでも、就業が内定している人を含め、10人のWebマ+卒業生が活躍しています。社内には卒業生専用のslackチャンネルがあり、出身者たちが定期的にオンラインランチをするなど、活発なコミュニケーションを通じて横のつながりも生まれているようです」と小城さん。

中でもプログラムの1期生だったBさんは、いまやソウルドアウトグループの中核人材に。当初はハーフリモートの契約社員として働いていましたが、半年間でGoogle、Yahoo、Facebook広告の運用をマスターし、現在はフルリモートの正社員として活躍しているそうです。

「Bさんは、昨年社長賞を受賞したCさんというメンバーのチームで働いているのですが、授賞式のスピーチでCさんは『Bさんの活躍があったから、受賞することができました』と話していたんですよ。
社会人経験があり、働くことへの意欲が高いワークアゲイン人材は、就業先の企業でも自ら積極的に仕事を進める『自走力』の高さが特徴ですね」(小城さん)

事業を通じて社会課題を解決したい企業にとって、Warisはよきパートナー

DX教育のプログラムを長く手がけてきたソウルドアウトグループにとっても、女性のキャリア支援、人材紹介を専門とするWarisのような会社との協業は、初めての経験でした。大変なことはなかったのでしょうか。

「これまで当社では、主に企業の従業員の方々を対象に事業を展開してきました。今回は一般の方が研修の対象ということで、当初は参加者とのコミュニケーションのとり方に難しさを感じることはありましたね」と小城さんは語ります。

そんな中、小城さんはWarisの担当者と連携して試行錯誤しながら、プログラムの改善を進めてきました。
「このプログラムは、Warisとつながりのある、モチベーションの高い女性たちの存在なくしては成り立ちません。そういった意味で、Warisがプログラムの『入口』を担当し、私たちが『出口』としての就業先をしっかり確保するという現在の座組みが、うまく機能していると思います」(小城さん)

さらに小城さんは、事業を成功させるだけでなく、「Live Your Life」というビジョンを掲げ、社会課題の解決を目指すWarisのあり方にも共感しているといいます。

「私の父親は転勤族でした。父の転勤が決まると、家族も一緒に引っ越しをせざるを得ません。母は、同じ会社で働き続けることが難しい中、20代の後半で美容師の免許を取得し、行く先々で仕事をしていました。そんな母の姿をずっと見てきたので、私自身、環境を理由に職業や働き方の選択肢が持てない人たちをサポートしたいという思いが根底にあります。

リモートワークでも、オフィスに出勤するのと同じように仕事の生産性が保てる職種が増えている中、さまざまな事情を抱えた人たちが自分らしく働ける環境を提供することは、企業の重要な使命です。事業を通じて社会課題を解決したいと考えている企業にとって、Warisはよきパートナーになる可能性があると思います」と小城さんは話してくれました。

DX教育事業を通じて、働き方改革を実現する

Webマ+(プラス)がスタートした翌年、2020年からは新型コロナウイルスの流行が拡大し、Webマーケティングを取り巻く社会情勢も大きく変化しました。

「リモートワークが広がり、以前は展示会などを通じてお客さんを集めていた業界でも、直接商談をすることが難しくなりました。これまでなかなかDXが進まなかった製造業や医療の現場でも、ECサイトの導入やオンライン集客など、IT活用が進んでいます」(小城さん)

Web広告を取り入れたことがなかった業界にもDXの波が押し寄せる中、Webマーケティングの知識を学んだ人材の需要がますます高まっていることを、小城さんも肌で感じているそうです。

時代の変化に合わせ、Webマ+(プラス)も、学習内容の充実のみならず、新たな就業先の開拓や、参加者とさらに細やかなコミュニケーションがとれるよう工夫するなど、バージョンアップを続けています。ソウルドアウトグループ内からも、「もっと卒業生を採用したい」という声が上がっているそうです。

「今後は、Webマ+(プラス)で学べる内容をさまざまな領域に広げ、より多様な方が活躍できるカリキュラムを構築していきたいですね」と小城さん。「企業がDXを推進するとき、鍵になるのはやはり、ツールを使いこなす『人』の教育の問題です。私たちはこれからも、教育事業を通じて働き方改革を実現し、企業と個人の幸せなマッチングができる世界を実現していきたいと考えています」

Warisと連携しWebマ+(プラス)を立ち上げたことで、事業領域を広げることに成功したアンドデジタル株式会社。Warisはこれからもその思いに寄り添い、伴走を続けていきます。

※本インタビューは2022年4月に実施したものです。

  • ■設立/2015年3月(2021年7月1日よりアンドデジタル株式会社へ社名変更)
    ■会社概要/DXに必要なツールを導入し、活用するためのデジタルインテグレーション事業、DX専門の教育事業、DXを加速させる人材紹介事業などを通じ、中小・ベンチャー企業の成長を支援する。