Case Study

株式会社UMITO Partners

広報の知見+「魚と人への愛」を持ったプロ人材を採用。会社のブランディングも含めて業務を牽引する存在に

会社の『機能』だけではない、価値観やコミュニケーションスタイルが合うかどうかまで考えてマッチングしてくれるWarisなら、理想の関係を築ける方を紹介してくれるのではないかと思いました

Customer profile

株式会社UMITO Partners
組織開発総務部 オフィサー 藤居料実様

「ウミとヒトが豊かな社会」を目指し、サステナブルな漁業や地域にまつわるコンサルティングを行う株式会社UMITO Partners。広報の知見がある人材に出会いたいとのご依頼に対し、広報からブランディングまで幅広く経験し、水産業にも関心の高いプロフェッショナル人材、Mさんをご紹介。広報業務はもちろん、PRイベントの企画運営、新ウェブサイトの構築、SNS運用、ブランディングなどを幅広く手がけ、プロジェクトを牽引する役割を担っています。

  • 課題

    • 創業期、社内に広報の知識や経験を持つ人材がいなかった。
    • PRやSNS運用など、必要とわかっていても手をつけられない業務があった。
  • 成果

    • 広報の経験のみならず、水産業への高い関心とコーポレートブランディングの知見を持つプロフェッショナル人材を採用できた。
    • 新しいウェブサイトの構築やSNS運用などの広報業務に加え、会社の将来を見据えた戦略的なブランディングという視点を持ち込んでくれた。
    • プロジェクトの進め方や仕事への情熱など、プロフェッショナル人材の存在が、社内のメンバーにとってもポジティブな影響を与えている。

サステナブルな漁業の実現を支援するコンサルティング企業

「ウミとヒトが豊かな社会」を目指し、サステナブルな漁業や地域にまつわるコンサルティングを行う株式会社UMITO Partners。今、関心が高まっている水産エコラベル認証の取得に関する事業や、サステナブルな方法で獲られた海産物をシェフに届ける事業などを手がけています。

世界の人口は増加傾向にありそれらの人口を満たすタンパク源の担保が国際的な課題とされるなか、水産資源は著しく減少傾向にあります。日本でも漁獲高は減少の一途をたどり、現在では国が管轄する魚種の75%が中位(獲りすぎ)、もしくは低位(限界ギリギリ)の数値を示すほど資源量が減ってしまっています。漁業協同組合数も過去30年間で半減しており、地域社会経済が脆弱化しています。

そこで国が大きく舵を取り、水産業の持続可能性を高めるため、およそ70年ぶりに漁業法が改正されたのが2018年のこと。条文に「水産資源の持続的な利用」が明記されたことで、日本の漁業のあり方は大きく変わろうとしています。

「水産業の世界は人手不足で高齢化が進み、70代で現役という方が珍しくありません。漁師さんは50代でも『若手』と呼ばれるほどです。魚の数が減っているから漁獲量を減らさないといけないと言われても、これまでのやり方をすぐに変えることは簡単ではありません。環境に配慮した持続可能な漁業を実現できるよう、漁師さんに伴走したり、新たな事業の立ち上げを支援したりするのが、私たちの役割です」(組織開発総務部・オフィサーの藤居料実さん)

日本の水産物マーケットでは、違法な漁業で獲られた魚を排除する法律がないことが、大きな問題になってきました。欧米では、環境に配慮した方法で獲られた商品以外、販売できない仕組みが整っています。一方日本では、海外から輸入され市場に流通する魚のおよそ3割が、違法な漁業で獲られたものという論文もあります。

「私たちは、日本で初めて弊社とサステナブルな漁業を目指すプロジェクトに取り組む東京湾のスズキ漁師さんなど11社と協働で、魚のブロックチェーントレーサビリティプロジェクトに取り組んでいます。タブレットを活用し、漁獲データを電子的に入力することで、資源管理につながる仕組みです。さらに、消費者がQRコードをスキャンすると、どこで誰が獲った魚かという情報がわかります」(藤居さん)

2022年1月に行った実証実験では、「どこで誰が獲ったか」という情報がついているスズキに対しては、情報がないスズキに比べ、消費者が+30円ほどの価値を感じるという統計結果が東京大学の研究を通じて出されました。
「資源管理をすることは、将来の水産業を守るだけでなく、消費者にとっても大きな付加価値になることを、漁師さんたちに知ってもらいたいです」と藤居さんは語ります。

広報の経験があり、しかも水産業への関心が高い人材をマッチング

サステナブルな漁業への熱い思いと共に、2021年6月に船出したUMITO Partners。創業当初、社内には広報の経験を持つメンバーがおらず、SNS運用など日々の業務になかなか手が回らなかったといいます。

「広報の知見を持った方を探そうということになったとき、真っ先に思い浮かんだのが、以前からお世話になっていたWarisのコンサルタント、Hさんでした。Warisが掲げている『Live Your Life すべての人に、自分らしい人生を』というビジョンが素敵だなあと感じているんです。

私たちの会社では、組織と個人が互いに良い影響を与え合うことを目指しています。会社の『機能』だけではない、価値観やコミュニケーションスタイルが合うかどうかまで考えてマッチングしてくれるWarisなら、理想の関係を築ける方を紹介してくれるのではないかと思いました」(藤居さん)

UMITO Partnersが求めていたのは、広報の経験があり、しかも水産業に関心のある人物です。「正直、両方の条件を兼ね備えた人材はなかなかいないだろうと思っていました。でも、ぴったりの人を見つけてもらったんです」と藤居さん。

Warisからご紹介したMさんは、大手メーカーや商社で企画からセールス、PR、ブランドマネジメントまで手がけてきたフリーランスのプロフェッショナル人材。地域間交流プロジェクトなどを通して地方の漁師さんと関わりを持ったことで、ゆくゆくは自身も水産物の小売りに携わりたいと考えるほど、水産業に強い関心を持つ人物でした。

「紹介してもらったときは『本当にそんな人がいるの?』と驚きました。実際にお話してみると、水産業を取り巻く状況や、環境への感度が高く、情報網が幅広い。広報の仕事をお願いしたいと伝えたところ『想定されている業務に加えて、ブランディングの観点からこういったことも必要だと思います』と積極的に提案をしてくれました」(藤居さん)

戦略的な目線で、将来を見据えプロジェクトを牽引

Mさんは現在、業務委託という形で、UMITO Partnersの広報業務全般、PRイベントの企画運営、新しいウェブサイトの構築、SNS運用、ブランディングなどを幅広く担当しています。

「広報部門のいち担当者というよりも、客観的な目線で、将来を見据えさまざまな意見を出してくれます」と藤居さん。

「ジョインして間もないころ、ブランディングとは何か、広報とはどんなことをするのか、Mさんがわかりやすく講義をしてくれました。物事を躊躇なくどんどん進めるMさんの姿勢から『プロジェクトは、こうやって前に動かしていくものなんだ!』と日々学んでいます。新しい挑戦に対して不安を感じているメンバーもいたのですが、Mさんが来てくれて、社内の雰囲気もポジティブな方向に変わりましたね」

同社の仕事に情熱を持って関わると同時に、Mさんは自身の起業準備も進めているそうです。

「いつ寝ているんだろう、と不思議になるくらい、バイタリティにあふれた方なんです。 常に広い視野で情報収集をしていて、他社の動向や、事業の新たな可能性についても提案してくれるので、私たちにとっても大きな刺激になっています」と藤居さんは顔をほころばせます。

会社と個人が、プラスの影響を与え合う組織をつくりたい

UMITO Partnersでは、創業当初からリモートワークを積極的に活用しています。

「直接顔を合わせたほうがスムーズに仕事が進む場合はオフィスで働くこともできますが、やるべきことがしっかりできていれば、働く場所は自由です。気分転換のためにと、週1回程度オフィスで仕事をしているメンバーもいます。Mさんも、リモートワークをベースに必要があれば出社するという形で参画しています」(藤居さん)

同社では、個人の事情や希望に合わせ、雇用形態も柔軟に選ぶことができます。

「私自身、Mさんと同じように業務委託で仕事をしているんです。保育園に通っている子どもがいることに加え、将来のためにインプットをする時間を持ちたいと思っているので。ベストな働き方は、価値観やライフステージによって変わっていくものですよね」と藤居さんは語ります。

「会社があることで、個人がパフォーマンスを発揮して生き生きと輝ける。その人がいてくれることで、会社が社会に対する責任を果たし、パーパスを達成することができる。個人と組織が依存しすぎず、適度に自立しながらお互いにいい影響を与え合っていける会社を作りたいと、代表とも日々話しています。私自身、以前の職場でマミートラックを経験したこともあり、個人と組織、両方が健全でいられることの大切さを実感しているんです」

組織と個人がプラスの影響を与え合う関係を目指してきた同社だからこそ、外部のプロフェッショナル人材であるMさんも、自身の経験やスキルを最大限に発揮することができたのかもしれません。

「全国には、頑張っている漁師さんや、水産業にかかわる方たちがたくさんいます。私たちも将来的に、もっと多くの漁協や漁師さんをサポートし、海の環境を改善して、より多くの水産資源を未来に残していけるよう、事業を拡大していきたいです」(藤居さん)

ウミとヒトの豊かな社会を志すUMITO Partnersは、組織づくりにおいても、個人と会社が高め合う最先端の企業でした。豊かな海を後世に残すため、情熱を持って新たな航路を切り拓いていく同社の旅路を、私たちも応援し続けていきます。

※本インタビューは2022年4月に実施したものです。

  • ■設立/2021年6月1日
    ■会社概要/
    「ウミとヒトが豊かな社会」を目指し、サステナブルな漁業への転換を支援する様々なサービスやコーディネーションを行うコンサルティング会社