Case Study

MODE, Inc.

ベンチャーならではの事業成長期にタイミングよくプロフェッショナル人材を活用

「Warisから紹介してもらった人材の共通点は、ポジティブで建設的なところです。こちらから正解を伝えなくとも、一緒に答えを探してくれるという印象を持っています」

Customer profile

MODE, Inc.
Head of HR 茅根哲也様

現実世界のデータをビジネスに活用するための技術を提供する「MODE, Inc.」。あらゆる業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れが加速する中、産業IoTの分野にソリューションを提供する同社のビジネスも成長を続け、ビジネスチームの拡大が急務となっていました。そこでWarisからは、人事・採用やWebマーケティングなどの経験やスキルを持つ、4人のプロフェッショナル人材をご紹介。会社の未来を担うチームビルディングを加速し、Webマーケティングやバックオフィスの分野でも体制を整えることができました。

  • 課題

    • 事業成長のフェーズでビジネスとバックオフィス体制を急拡大するために、即戦力となるプロフェッショナルの参画と、正社員採用を急速に進める採用リソースをタイミングよく獲得する必要があった。
  • 成果

    • 人事・採用分野のプロフェッショナル人材を活用し、ビジネス拡大の基盤となる3人の新たな正社員メンバーを採用することができた。
    • Warisのプロフェッショナル人材は、ポジティブで建設的。整理されていない状況の中でも積極的に業務を進める自律性や向上心を持っており、会社が成長していく上で大きな力になった。

「産業IoT」の分野にソリューションを提供する

現実世界のデータをビジネスに活用するための技術を提供する「MODE, Inc.」。2014年にシリコンバレーで創業し、2017年に東京オフィスを開設しました。IoT(Internet of Things、モノのインターネット)と聞くと、一般的にはインターネットにつながった家庭用の電化製品やスマートホームなどをイメージする人が多いかもしれません。しかし、同社が手がけるのは大きな施設や工場、車両、建設現場などの大規模データを扱う産業IoT。製造業をはじめ、さまざまな分野の多くの大企業に技術とサービスを提供しています。

「例えばタクシーに乗ったとき、運転手さんが出発地と到着地を鉛筆で紙に書いているのを見たことがある人は多いと思います。車両がインターネットにつながり、デジタルで記録してデータを集められれば、お客さんの動向がわかり、ビジネスにも活用できるはずです。

Twitterなどのウェブサービス企業では、ユーザーのデータをリアルタイムで見ながらサービスを素早く変更して、より多くのユーザーを獲得するようなことが当たり前に行われています。しかし、残念ながら多くのビジネスでは、現場のリアルデータの獲得と活用がまだまだ途上です。多くの産業がもっとデータを活用することにより、大きな価値が生まれる『産業IoT』の分野にソリューションを提供するのが、私たちのビジネスです」と同社Head of HR(人事責任者)の茅根哲也さんは言います。

あらゆる業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れが加速する中、ビジネスを成長させるため、データを活用することの必要性も高まっています。ただ、もともとITを専門としない企業が自社でソフトウェア開発を行うことは簡単ではありません。そんな悩みを抱える企業に、IoTソリューションとともに技術やノウハウを提供するのがMODEのサービス。IoTのニーズが高まる中、同社の事業領域も拡大を続け、2020年には総額600万ドルの資金調達を行いました。

ビジネスチームを大きくするため、プロフェッショナル人材を活用

事業の性質もあり、MODEはもともと、ソフトウェア開発などエンジニアリングに強みを持つ企業です。社員の多くがエンジニアであり、事業開発やバックオフィス業務は最小限の人数で担当していました。

「事業が拡大するフェーズに入り、営業や事業開発を担当するビジネスチームを大きくしたいと考えるようになりました。人材採用にはこだわりを持っているので、採用活動の手数を増やし、かなりの数の候補者と会う必要があります。また、事業開発やバックオフィス構築の課題の中には待ったなしのものや、必ずしも正社員を採用する必要のない仕事もあります」(茅根さん)

成長フェーズでの人材不足は、MODEにかぎらず、多くのベンチャー企業が直面する課題です。必要な時期に、豊富な経験や高度なスキルを持つ人材を正社員として採用することは簡単ではありません。そこで同社では、社内に知人がいたWarisにご相談。Warisからは、人事・採用やWebマーケティングなどの経験やスキルを持つ、合計4人のプロフェッショナル人材をご紹介しました。

ビジネス拡大の基盤となる人材を採用できた

1人目は、人事・採用の分野でキャリアを重ねてきたSさん。日本語、英語、中国語を使いこなすトリリンンガルの男性です。「プロフィールを見ただけではわからない部分を、面談ですり合わせることができたので安心でした」と茅根さん。Sさんのパーソナリティに加え、Sさんが実際にできること、できないことを最初の段階で明確にすることができたと言います。「お願いできること、サポートするべきことがあらかじめわかったので、期待値のミスマッチがなかったですね」(茅根さん)

業務委託で人材採用を担当することになったSさん。日常のコミュニーションはオンラインで行っています。「当初は毎日30分、オンラインミーティングで会話をして、困ったことやわからないことを解消するよう心がけました。数ヶ月経ってSさんが業務に慣れてきたので、現在は週3回程度の会話で十分になっています」(茅根さん)

さらに茅根さんは、Sさんになるべく多くの情報を共有するように心がけているそうです。「採用マネージャーと話をするときもSさんに入ってもらい、なぜその業務を行う必要があるのか、バックグラウンドを含めて理解してもらうよう心がけました」(茅根さん)

成長期のベンチャー企業では、決まった業務をこなすだけでなく、状況に応じ臨機応変に動くことが求められます。「Sさんはオペレーションとして淡々と業務をこなすだけではなく、私たちの仲間として動くことに初めから興味を持ってくれました。その点はまさに期待通りでしたね」と茅根さんは語ります。「必要なときには別のメンバーを巻き込むなど、一人で抱え込みすぎない柔軟さもSさんの魅力です。当社の社内公用語は英語なのですが、日本語も英語もビジネスレベルで使いこなすSさんには翻訳して伝える必要がないので、その点も助かっています」(茅根さん)

Sさんがジョインした結果、MODEでは営業や事業開発を担当する3人の新たなメンバーを採用することができたといいます。「人材採用はビジネス拡大の基盤です。Sさんが一緒に戦略を考えながら着実に実行してくれたことに、とても感謝しています」(茅根さん)

プロフェッショナル人材活用のコツ

Sさんのほかにも、MODEではWarisからご紹介した複数名のプロフェッショナル人材が活躍しています。業務委託でWebマーケティングを担当するKさんや、バックオフィス担当の契約社員として同社にジョインし、現在では正社員となったAさんもその一人です。

「Warisから紹介してもらった人材の共通点は、ポジティブで建設的なところです。整理されていない状況の中でも、自分で考えて積極的に進めてくれるところがありがたいですね。こちらから正解を伝えなくとも、一緒に答えを探してくれるという印象を持っています。Aさんも、当初求めていた役割を超えて、自ら学び専門性を高めながら積極的に業務の範囲を広げてくれています」(茅根さん)

ビジネスの基盤を整えるため、プロフェッショナル人材を積極的に活用している同社。業務を委託する際、何か工夫していることはあるのでしょうか。

「心がけているのは『何をしてほしいのかをはっきりさせること』です。どんな人材が、どんな形態で、どういう働き方をしたら成果を出せるのか。初めにその点をクリアにすることが大切だと思います。逆に言えば、求められる成果や時間がはっきりしていないと、頼まれる側も何をどうすれば良いのかわからないですからね」(茅根さん)

固定観念にとらわれず、さまざまな人が活躍できる会社をつくりたい

事業の成長フェーズで、プロフェッショナル人材の活用を選択したMODE。「必要な人材がタイムリーに入ってくれたおかげで、会社としてできることの範囲が広がりました」と茅根さんは振り返ります。

「正社員という選択肢だけで考えていたら、ちょうどいいタイミングでは採用できなかったかもしれません。一方で日本には、現場で活躍できる経験やスキルを持っていても、出産や育児などの事情から、フルタイムで働くことが難しい女性がたくさんいます。そんな個人と企業をマッチングして、自分らしく生きる人を増やすというWarisの哲学に、とても共感しています。今後も、機会があればぜひサポートしてもらいたいですね」(茅根さん)

同社ではこれからも、固定観念や既存のルールにとらわれず、個人が才能を発揮して活躍できる会社を作りたいと考えているそうです。「間違いや失敗が起こらないよう、先回りして細かいルールを決めてしまうと、可能性が狭められてしまいます。ルールで縛るよりも、一人ひとりが個性を生かし、いきいきと活躍できる社会を目指して、日本だけでなく、世界中で事業を展開していきたいですね」と茅根さんは言います。

卓越した技術力で、世界のあちこちに新たな橋を架けていこうとしているMODE。その先に待っている未来が、今からとても楽しみです。

※本インタビューは2021年10月に実施したものです。

  • ■設立/2014年7月
    ■会社概要/現実社会のデータを収集することに特化したクラウドサービスを提供している、シリコンバレーのIoTスタートアップ。あらゆるセンサーデータに対応するゲートウェイ内のソフトウェアと、独自開発をした超高速な時系列データベース技術をクラウド上に実装し、データ収集を飛躍的に進化させたプロダクトを提供しています。