コンサルとの距離感では実現できない、組織に深く入り込んで一緒に考えてくれる。業務委託という形で参画したプロ人材が、制度改革と人材育成の両立を可能にしました。
Customer profile

株式会社EDUCOM
コーポレート推進部部長 島智洋様
人事評価制度は組織の成長と社員のモチベーションを支える重要な基盤です。EDUCOMでは、新しい評価制度の運用から3年がたち、現場の納得感やモチベーションにつながっていないという課題が浮き彫りに。
本記事では、Warisのプロ人材活用によって評価制度の運用改善、組織能力向上を同時に実現した事例をご紹介します。評価制度設計のノウハウが不足していた同社で、内製化を前提とした持続可能な人事基盤の構築に成功しました。
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OBJECTIVE 解決したい課題
- 導入3年目の人事評価制度が社員の納得感やモチベーションにつながっていないという状況に対し、評価制度の構築・運用のノウハウを持つ人材が社内に不在だった
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BENEFIT 得られた成果
- 各グレードの役割定義を明確化し、社員の成長の道筋を可視化
- シンプルで効果的な評価制度と育成の仕組みを確立
- 人事メンバーの主体性向上と専門性獲得により内製化基盤を構築
- 新制度への社員の期待値が向上し、組織変革への機運が醸成
人事評価制度の改善に社内のノウハウが不足
─ Warisへのご相談に至った背景や課題を教えてください。
当社では2022年下期より新しい評価制度(EDUCOMコア)を導入しましたが、導入から3年が経過し、現場の納得感やモチベーションにつながっていないという深刻な課題を抱えていました。
人事評価制度は本来、社員の成長や挑戦を自然に促すものであるべきですが、十分に機能していない面がありました。また、目標設定や評価のPDCAサイクルに多くのリソースが割かれている状態も課題と感じていました。
運用面の改善だけでなく、制度自体のテコ入れが必要な可能性もある中で、制度設計の経験を持つメンバーが社内にいなかったため、知見のある方をお招きしたいと考えていました。
─ 今回、業務委託のプロ人材を選択された理由は何ですか?
以前はコンサルを活用して制度設計をしましたが、彼らが思うベストな方法が本当にEDUCOMにとって良いのか、距離感がある中で、どこまで私たちにフィットしたものなのか疑問を感じながら進めていました。
今回は、コンサルの距離感ではなく、業務委託として組織の中に入り込んでもらい、経営陣や幹部メンバーとのヒアリングなど、中に入ってもらわないとできないことをやって欲しかった。そこで、業務委託の紹介をやっているWarisさんなら、私たちが求める距離感で働いてくれる人材を紹介してもらえるのではないかと考えました。
EDUCOMのカルチャーを尊重した組織に寄り添うアプローチが決め手に
─ 人材に期待していたことは何ですか?
理論だけでなく現場の泥臭い課題に共感し、周囲と関係を構築しながら自走してプロジェクトを推進するハンズオンでの支援です。豊富な実務経験はもちろん、経営視点と現場視点の双方をバランスよく汲み取り、ロジカルな整理と現場への落とし込みを両立できる人材を求めていました。
─ Warisがご紹介したプロ人材を選んだ決め手を教えてください。
Sさんはベンチャーから大企業まで幅広く人事制度の構築や改善に携わってきた経験をお持ちでした。私たちが抱える課題が、Sさんにとっての「いつか見た景色」「どこかで経験したこと」に当てはまるのではないかと思いました。
経営視点と現場視点の双方をバランスよく汲み取り、ロジカルな整理と現場への落とし込みを両立できる点もまさに期待通りでした。
ベストプラクティスの押し付けではなく、組織レベルの課題や外部環境から分析して、当社のカルチャーを尊重しながら、型に嵌めない最適な打ち手を提案いただける姿勢に信頼感を持てました。1つ引いたところから見てくれる、そのアプローチに共感しました。
PM的な役割で制度改革プロジェクトを牽引
─ 実際にお願いした業務内容について教えてください。
Sさんには人事課の一メンバーとして、PMの立ち位置で人事制度(等級・評価・報酬)の再定義と運用設計をリードしていただきました。
直近の目標として、以下の3点を設定しました。
①制度面:エンゲージメントを下げている要素を特定し改善を打てる状態にする
②運用面:社員の運用スキル向上に向けた計画構築
③内製化:人事課が自走して運用を回せる仕組みの整備
プロジェクトは現状の課題分析から始まり、経営層とのポリシー策定、各部門へのヒアリングを通じた要件定義、制度の構造的な「ねじれ」を解消するガイドライン策定、そして全社員への説明会実施まで、一連のプロセスを伴走いただいています。
特徴的だったのは、人事制度だけに限定せず、HR全体のテーマとして課題を特定し、優先順位をつけて改善に取り組んだことです。
─ プロジェクトを進める中で印象的だったことはありますか?
プロジェクト中盤で各論に入り込みすぎて、制度自体が何を目指すのか分からなくなった時期がありました。その時、Sさんが「制度設計のポリシーを言語化しましょう」と提案してくれたんです。
比較軸をいくつか用意して「EDUCOMはどちらの考え方に近いですか?」と問いかけながら、目指すべき人事制度やありたい組織の姿をポリシーとして言語化しました。そのポリシーに合わせて各論を再検討したところ、みんなの検討の軸がピタッと合いました。この軌道修正の力は本当にありがたかったです。
人事メンバーの成長と内製化基盤の構築
─ プロ人材がジョインしたことで、どのような成果がありましたか?
まず、縦横の連携不足という組織課題に対し、曖昧だった各階層の役割定義を整理し直し、社員が目指すべき成長の道筋を明確にできました。
透明性の高い評価・昇格プロセスの構築を進めています。360度評価など多面的なフィードバックの仕組みも検討中で、これらにより納得感の向上を図っています。
また、評価とは切り離して育成ができるような仕組みとして、育成だけを考える1on1の機会を作ることなども進めています。
新制度に関する社員向け説明会のアンケートでは、「今まで抱いていた課題が払拭されるような制度になりそう」という期待の声が寄せられています。
興味深いことに、人事メンバー自身の成長もみられました。プロジェクト開始から3ヶ月くらいした頃からメンバーの主体性が急激に高まりました。Sさんが作ったプロトタイプを理解しようとするエンジンがかかり、人事のプロとしての自覚が芽生えたんです。
─ 組織としてどのような能力が身についたのでしょうか?
経営層や他部門に対して自分たちの考えをしっかりと伝えて動かしていく力が身につきました。今まで課長や部長レベルがやっていた仕事を、メンバークラスが対等に進められるようになった。これは大きな成長です。
プロ人材の知見を吸収することで、社内メンバーが主体となって各分科会をリードできる体制が構築されました。Sさんのアドバイスで「まず自分たちとしての軸を持ちましょう」と言われ、人事として「どういう制度にしたいのか」をしっかり考えるようになりました。採用や研修のプロはいましたが、制度設計に戦略レベルで携わる機会がなかったメンバーにとって、この経験は貴重な成長の機会になっています。
プロ人材との協働で築いた自走可能な人事組織
─ 今後の展望について教えてください。
新制度ローンチに向けて、現在は運用フェーズへの移行期です。Sさんには引き続き、運用がうまく回り、私たちが自走できるようご支援いただきたいです。
新たに構築した人事基盤をもとに、人事評価を単なる「査定」ではなく、社員の成長を後押しし、自身の成長が会社の事業成長に繋がっていることを実感できる「エンゲージメント向上のエンジン」へと昇華させていきたいと考えています。
スピード感を持って進めるならコンサルという選択肢もありますが、人事メンバーが「この制度設計を自分たちでした」という自信と成長を得られたのは、業務委託で現場に入り込んでくださったからこその成果でした。基本設計はSさんが担当しつつ、詳細なアレンジは社内メンバーが主導する体制により、内製化を前提とした持続可能な人事基盤の構築に成功したと感じています。外部の知見を内製化に繋げるこの手法は非常に有効でした。
アドバイザーではなく、プロジェクトメンバーとして入り込んでくれたことで、なぜこの設計なのか、どんな選択肢があるのか、メンバーがどんどん質問しながら制度を作っていくことができました。
この過程を通じて人事メンバーが大きく成長し、自走可能な人事チームへと進化できたことは、プロジェクト当初の目的以上の成果だと感じています。
※本インタビューは2025年12月に実施したものです。

- 株式会社EDUCOM
- https://www.educom.co.jp/
- ■設立/1990年7月
■会社概要/
1989年4月に教育用コンピュータ事業を開始し、1990年に有限会社として設立しました。多忙な先生の業務効率化を実現する「統合型校務支援システム」をはじめ、保護者向け情報発信ツールや子どもの「心と学びの記録・振り返り支援システム」などの学校支援システムを、全国の小中高等学校に提供しています。