「フリーランスのメンタルヘルスに関する調査」結果のご報告 ~ “働き方改革”が推進される中、フリーランスが健康的に働くカギは?~
【プレスリリース】
ビジネス系フリーランス女性と企業とのマッチング事業「Warisプロフェッショナル」と、女性のための再就職支援事業「Warisワークアゲイン」を通じ、多様な生き方・働き方を創出する株式会社Waris(所在地:東京都千代田区、代表取締役:米倉史夏、田中美和、河 京子、以下Waris)は、「フリーランスのメンタルヘルスに関する調査」*¹を2019年1月~2月に実施し、本日この結果を公表しましたのでお知らせいたします。
今回は産業医の先生方のご協力*²を得て、仕事と生活の両面に関する設問項目を通じてフリーランスのメンタルヘルスの実態を明らかにしました。調査結果からは「フリーランスのメンタルヘルスが会社員よりも良好であること」「メンタルヘルスが良好なフリーランスは生活習慣や仕事スタイルの工夫をしていること」などがわかりました。
一方で、回答したフリーランスのうち10.0%に「仕事に支障をきたす健康問題」があり、30.5%は「メンタルヘルスの不調」を自覚していました。また、「睡眠で疲れが十分取れない」と18.6%が回答していました。「毎年は健康診断を受けていない」フリーランスは回答者の40.5%に達し、「フリーランスになって新たに病気を発症した」人は18.6%にのぼるなど、健康問題を抱えるフリーランスは少なくありません。
会社員に比べてフリーランスは、生活健康に関するセーフティネットが十分にないため、現状は個人での健康増進につながる工夫が欠かせません。しかしながら働き方に関係なく生じる健康問題への対処には、社会的支援も必要であることが改めて明らかになりました。
*¹ インターネット上で2019年1月30日~2月20日に実施。有効回答数370名。男性32%、女性68%と女性が多く、年収は時間単価3000円以上が50%、年収500万円以上が44%を占め、比較的高単価なフリーランスが中心でした
*² くまもと産業医サービス顧問産業医の中田博文氏、医療法人桜十字産業医の田村拓也氏にご協力いただきました。詳細なプロフィールは調査結果レポートP29をご参照ください
▼本プレスリリースPDFはこちらからご覧ください
https://info.waris.co.jp/190612_waris_release
■「フリーランスのメンタルヘルスに関する調査」結果レポート
◆全文掲載URL:https://info.waris.co.jp/mentalhealth2019
【結果サマリー1】フリーランスのメンタルヘルスは会社員よりも良好
フリーランスと会社員*3とでメンタルヘルスはどちらが良好かを比較しました。結果、フリーランスの方が会社員よりメンタルヘルスが良好で、メンタルヘルスが良好なフリーランスは69.5%に対して、会社員は56.9%でした。メンタルヘルスの状態を細分化した「疲労感」「ミス増加」といったストレス反応項目で比較してみても、フリーランスは会社員と比べて疲労感、ミス増加といったストレス反応が出ている人は少なく、メンタルヘルスが良好でした。疲労感があると回答した人は、会社員71.3%に対してフリーランスは52.7%。ミスが増加していると回答した人は、会社員は40.6%に対してフリーランスは25.9%でした。(詳細はレポートのP13参照)
*3 監修の産業医である中田氏より提供のさまざまな業種職種をふくむ会社員データとの比較。詳細はレポートのP13をご参照ください
【結果サマリー2】時間単価や仕事満足度が高いフリーランスほどメンタルヘルスも良好
仕事の成果を示すものとして他者評価である「時間単価」、また自己評価である「フリーランスになったことへの満足度」について、メンタルヘルスとの関係を調べました。時間単価は高い方が低い方に比べてメンタルヘルスが良好で、細かく分けてみると「疲労感」「ミス増加」は良好でした。疲労感があると回答した人は、3,000円未満が58.7%に対して3,000円以上は46.8%。ミスが増加していると回答した人は、3,000円未満が32.6%に対して3,000円以上は19.4%でした。(詳細はレポートP15参照)
また、フリーランスとして働くことに満足かどうかを5段階に分けて回答してもらったところ、満足度が4以上の方が3以下に比べてメンタルヘルスが良好でした。細かく分けてみても、「疲労感」「ミス増加」ともに良好でした。疲労感があると回答した人は、不満が66.1%に対して満足は44.3%、ミスが増加していると回答した人は、不満が33.0%に対して満足は18.9%でした。(詳細はレポートのP16参照)
【結果サマリー3】メンタルヘルスが良好なフリーランスは生活習慣や仕事スタイルに工夫あり
生活習慣(食事・運動・睡眠)については、特に睡眠に気を付けることで、良好なメンタルヘルスがもたらされるという結果でした。
同時に、健康問題を抱えていることで、仕事上のストレス反応を大きくすることもわかりました。健康問題自体が、身体的にストレス反応を生じさせていること、また健康問題を抱えていることで、将来の仕事等への不安等から、ストレス反応につながっている両面の可能性が想像されます。
仕事スタイルでは、まず仕事の負荷がストレス反応を高めることがわかりました。仕事をしていれば、仕事の負荷は避けられないものですが、今回の調査分析から、「(仕事上の)マイルールの確立」と「人的ネットワークの拡充」が、仕事の負荷の低減に有効であることがわかりました。ストレス反応の低いフリーランスの方に個別に行ったヒアリング調査では、クライアント企業との契約基準や自身の働くスタイル(稼働時間、稼働場所)を明確化し、自身で受注する内容を予め決めておく「マイルール」を確立していました。例えば、過去の案件で方針が二転三転したクライアントからの新規の仕事は断る、子育て中のため基本的に日中しか打ち合わせ時間は設けないといったことです。
また、仕事上で必要な協力を周囲から得られるといった人的ネットワークを持っていることが、仕事の負荷を緩和している結果も出ました。こうしたマイルールや人的ネットワークは、フリーランスになる以前に従業員として勤務した経験によって、培われることが想像されます。実際、従業員勤務経験年数が長いフリーランスほど人的ネットワークが充実していました。
自ら進んで取り組む内発的報酬では、「周囲との協力関係を持つこと」「前向きな気持ちを持つこと」がストレス反応の低減に特に有効でした。この2つは、行動すること自体に喜びを感じる「内発的動機」を高める要素と言え、モチベーションの自己管理が、良好なメンタルヘルスをもたらす可能性が示されました。(詳細はレポートのP17参照)
■「フリーランスのメンタルヘルスに関する調査」を受けての提言
フリーランスが健康的に働くためには、個人での生活習慣の管理や明確な仕事スタイルは欠かせないものですが、働き方に関係なく誰にでも起きる生活健康上の問題への対処には社会的な支援も必要です。多くのフリーランスが加入している自治体の国民健康保険の健康診断により予防医療の観点を盛り込むであるとか、フリーランスに限らず会社員も含めて健康増進活動を促すために、人間ドックの受診料やスポーツクラブなどの運動施設の利用料を予防医療の観点から所得控除の対象とするといった案についても、前向きに議論していく必要があるのではないでしょうか。また、フリーランスを支援する団体・企業の中にはフリーランス向けの健康支援に取り組むところも出てきており、フリーランス自身がこうした情報を正しく理解しサービスを選択できるようにすることも一助になると考えます。(詳細はレポートのP26参照)
■ 株式会社 Warisについて(https://waris.co.jp/)
ビジネス系フリーランス女性と企業とのマッチング事業「Warisプロフェッショナル」と、女性のための再就職支援事業「Warisワークアゲイン」を通じ、多様な生き方・働き方を創出する人材エージェント。
【会社概要】
・本社所在地 : 東京都千代田区神田鍛冶町3丁目7 神田カドウチビル8F
・設 立 : 2013 年 4 月
・代 表 者 : 代表取締役 米倉史夏、田中美和、河京子
・事業内容 : 人材サービス・有料職業紹介事業。各種多様な生き方・働き方に関するセミナー、イベント等の企画・開催・運営とオウンドメディア「Cue-きっかけは、彼女の生き方。」運営(https://cue.waris.jp/)
ご登録女性数は約12,000名、顧客企業約1,700社。(2019年4月現在)
Waris 過去の調査
2018年「変革型フリーランス実態調査」
https://info.waris.co.jp/henkakugatafreelance2018
2017 年 「活躍フリーランスの幸せ度実態調査」
https://waris.co.jp/data/pdf/170530_Waris_report.pdf
2016 年 提言レポート~さらなる女性の継続就労・活躍が可能となる社会へ~
https://waris.co.jp/cms/wp-content/uploads/PDF/160324waris_teigen_report.pdf
【本調査に関するお問い合わせ先】
株式会社Waris 広報担当(西原) info@waris.co.jp / 03-5577-5957