インサイドセールス立ち上げ・構築のリアル事例 ~地方&海外フルリモートでコストは社員採用の1/3!

Warisの蟻川です。
リクルーティング・コンサルタント(RC=法人営業)チームの統括をしています。

コロナ禍で営業手法も大きな変化があり、元々リモートワークメインだった私たちも手探りで営業活動を行う日々が続いています。そんな中、ますます注目が高まっているのが「インサイドセールス」。お客様からのインサイドセールスに関する問い合わせもここ半年で急速に増えてきました。

Warisでは、実は数年前からインサイドセールスの強化に取り組んでおり、この記事では過去の試行錯誤も含めて、私たちのインサイドセールスの立ち上げ・構築事例をご紹介します。

インサイドセールス立上げ前夜
~経営陣&人脈頼りの営業から、まずはツールの導入へ(2017~18年頃)

2013年の創業から4年が経過し、少しずつ事業が安定してきたのが2017年頃。フリーランスの人材マッチングビジネスという事業の特性上、人材側と企業側(案件)の両方をバランスよく集客することが求められますが、フリーランスという働き方が認知され始め、人材側の集客が比較的安定してきた中で、企業からの案件獲得が大きな課題となっていました。

それまでのWarisの営業活動というのは、新規のお客様の獲得は共同代表3人の人脈や、既存のお客様からのご紹介が大半を占めており、私たち現場メンバーの営業活動は既存のお客様からのリピート商談や、イベント・セミナー等へ出向いての地道な名刺獲得がメインとなっていました。ちょうどこの頃から、共同代表の河と田中が続けて産育休に入ったこともあり、営業面でも大きな不安を感じていたのも懐かしい記憶です。

世間では営業支援システム(SFA)やマーケティング・オートメーション(MA)を活用した企業向けのデジタルマーケティングが大きく発展し始めていた時期でしたが、私を始めとして、営業メンバーは当時そこまでデジタルに強かった訳でなく、どこから手を付けていいかがわからなかったというのが正直な所です。

pardot
※MAはPardotを利用しています

そんな中、同じ課題を抱えていたマーケティングチームが主導して、まずはMAの導入を行いました。当初はミニマムの機能(価格も)で導入したこともあり、ほぼメルマガ配信ツールとしての活用から始まりましたが、担当営業名での個別メール配信やサイトアクセス履歴の活用などを通して、少しずつ営業メンバーがこれらのデジタルツールの活用メリットに気づいていったのです。

そしてMAの導入から約1年後に、SFAの導入を決断。SFAの導入には一定の投資や習熟プロセスが必要なこともあり、当時の私たちとしてはかなり思い切った判断だったのですが、MAでこれらのツールの活用メリットや導入プロセスへの理解が進んでいたこともあり、比較的スムースに進めることができました。

企業向けマーケティングの強化において、チーム体制を先につくるか、ツールの整備を先に行うかは悩ましい問題ですが、当時の私たちのようなノウハウもない、人も少ない、お金もない組織において、ミニマムでのツール導入から現場の営業メンバーのデジタルへの理解度をあげて、その上で、ツールに追加投資するというやり方というのは現実的な解のひとつなのではないかと思います。

インサイドセールス立ち上げ期
~はじめてのインサイドセールスは茨城とベトナムから!(2018~19年頃)

SFAの導入が始まり、営業メンバーも増えて、それまで良くも悪くも属人的なやり方で成果を出していたRCチームが、徐々にチームらしくなっていったのがこの頃です。当時は、RCは新規の企業開拓から案件獲得、人材とのマッチングプロセスまでを担っていたのですが、お客様への対応スピードの観点や、働き方の面からみてもサステナブルではないよね、ということで、RCチームとしてもう少し業務を切り出せる部分はないか?と考え始めていました。

その中のひとつとして、前年からのMA導入により、少しずつ増え始めていたWEBからの新規問い合わせや資料DLへの一次対応を、「インサイドセールス業務」として切り出すことにしました(それまでは問い合わせ毎に担当RCをアサインしたり、資料DLに至ってはこちらアプローチをしなかったりと非常に場当たり的でした)。

具体的に体制を考える中ででてきた条件は

・社員1人を追加アサインするほどの業務量はないので外部委託が現実的
・一次対応の精度が低いと後の営業プロセスに大きく影響するし、今後の業務の拡張性も考えて、コミュニケーション能力が高く、営業経験もあるようなハイスキルな方にお願いしたい
・(そもそも自分たちもリモートなので)時間、場所ともに働き方は自由、その中でできるだけ柔軟に働ける方歓迎

という3点。
これらの、条件に合う方を探したところ、大手メーカー出身で海外での渉外経験等も豊富な茨城在住の方が見つかり、メンバーに加わっていただきました。その後、対応数が増えてきたため、新たに人材派遣業界での営業やマネジメント経験も豊富なベトナム在住(現在は台湾在住)の人材もジョイン。二人とも時間と場所に縛られないフレキシブルな働き方を望んでいたこともあり、チームに加わることを快諾してくれました。こうして「茨城とベトナムのインサイドセールスチーム」が生まれたのです。

当初は私たちにもノウハウがなく、試行錯誤での立上げだったのですが、2人ともビジネス経験豊富でハイスキルな人材だったこともあり、IP電話の活用提案から、スクリプトの改善、RCとの業務切り分けやフロー整備まで、積極的に自走していただく中で、「インサイドセールスの型」が整ってきました。

この一連のプロセスで実感したのは、最初からインサイドセールスに関する業務を「新規問い合わせ対応」というタスク型の業務として捉えるのではなく、「インサイドセールスの立上げ」というミッション型の業務と捉えて、経験豊富でコミュニケーション能力も高い方にお願いしてよかったということ。そして、インサイドセールスはフルリモートでも全く問題なく、立ち上げることができるし、周囲とのコミュニケーションも含めて業務も問題なく回るということです。

結果として同レベルの社員を雇う約1/3のコストで、2名のハイスキル人材による地方&海外フルリモートのインサイドセールスチームをつくることができました!

インサイドセールス発展期、そして迎えたコロナショック(2019~20年頃)

インサイドセールスチームの業務範囲が、新規問い合わせの一次対応から既存顧客へのナーチャリング業務にも徐々に広がる中、RC(=フィールドセールス)、インサイドセールス、マーケティングの各チームの連携強化が次の大きな課題となってきたのが2019年頃。

SaaS系のビジネスと違い、商談→案件獲得後に人材とのマッチングプロセスが必須であったり、案件によって成約単価が変動することの多い人材マッチング事業ならではの特性もあり、プロセス全体を通したモデル構築やKPI設計・評価に苦戦する中(ここは今も悩んでいます….よいアイディアある方はぜひ力を貸してください!)、まずは月1回のRC、インサイドセールス、マーケのチーム横断での振り返り会を実施するところから着手しました。

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※関係者のMTGももちろんオンラインでの実施

キレイに数字が整ってなくてもよいので、各チームで見ている数字を持ち寄り、前月のGOOD/BADなどを通して、次月のアクションに反映するとこからゆるゆるとチーム間の連携をスタート。小さい所帯ということもあり、最初からガチガチにKPIを設定するのではなく、インサイドセールスを真ん中にして、RCとマーケがそれぞれ歩みよることにより、チームの枠を越えてアジャイル的に連携を模索したことで、結果としてよくありがちな営業とマーケ間のコンフリクトはほぼ起こりませんでした。

そして、少しずつチーム連携への手ごたえを感じ始めていた2020年3月、コロナショックが起こったのです。

Warisは元々リモートワークメインということもあり、会社としては2月の段階で原則在宅勤務へのシフトを行っていたのですが、今回のコロナ禍では多くの顧客企業がリモートメインに移行したことで、リアルでの営業活動がほぼストップしてしまいました。それまでのように展示会やイベントに参加して、新しいお客様との名刺交換から商談につなげる動きや、既存のお客様への定期的な訪問によるリピート商談の獲得など、RCの動きが大きく制限されたことで、商談数も一時的に大きく減ってしまいました。

営業責任者としてはしばらく眠れない日々が続いた訳ですが、その一方で、フルリモートを前提としたインサイドセールスチームが既に機能していたこと、そしてSFA/MAなどのツールが一通り導入されていたことで、早い段階で営業活動のオンライン化に意識を切り替えることができました。

・イベントのウェビナー化、およびインサイドセールスからのコンタクト強化
・インサイドセールスによるリードの状況にあわせた個別コンタクト
・サイトアクセス履歴を元にしたRCからの個別コンタクト
・無料オンライン相談会など新たな顧客接点へのトライ

などなど、インサイドセールスの動きをさらに強化しつつ、さらにRCもインサイドセールス的な動きを一部取り入れる等により、オンライン中心でも顧客との関係性を維持し、商談につなげるための様々な活動に取り組んでいます。

アジャイルなプロセスによりインサイドセールス/BtoBマーケの強化を図った3年間

こうして振り返ってみると、インサイドセールスの立上げを通して、BtoBマーケティング全体のプロセスを少しずつ作り上げてきた3年間だったなと実感しています。最初からもっとノウハウのある方に入っていただいて全体設計をしてもらえばよかったなという想いも多少ありますが、、、一方で、初めからかっちりとした体制を組むのではなく、アジャイル型で試行錯誤しながら立ち上げてきたことで、現場メンバーの巻き込みやチーム間の連携がスムースにできたんだろうな、という実感もあります。

このあたりは企業の規模や予算によって最適な取り組み方は違ってくると思いますが、ノウハウとリソースの少ないスタートアップ企業の1つの取り組み例として参考にしていただければ幸いです!

最近はお客様から「Warisさんのインサイドセールスは対応スピードも早いですね」「イベント後のフォローが丁寧」などのお言葉もいただけるようになってきました。もちろん、フィールドセールスとの業務切り分けやリードの質、商談化率などの課題はまだまだ山積していますが、早い段階からインサイドセールスに取り組んだことが、このコロナ禍の営業活動において、さらに具体的な形となってきたように感じています。

弊社の事例に関心のある方、インサイドセールス立ち上げに悩んでいる方がいらっしゃいましたら、是非気軽にお声かけください!


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