女性役員の人材紹介サービス「Warisエグゼクティブ」開始にあたって ~女性が持つ「多様な経験」が日本企業を救う!

Waris共同代表の田中です!本日、私たちWarisは新サービス「Warisエグゼクティブ」をローンチしました。これは企業経営における多様性を実現する女性役員(社外取締役、監査役、執行役員等)をご紹介するサービスです。

私たちWarisは、2013年に「どんなに環境が変化しても誰もが自分の能力を生かして生き生きと働き続けられる社会の実現」を目指して創業しました。当時、私たち創業メンバーが感じていたのは自分たちもふくめて周囲の女性たちの「生きづらさ」であり「働きづらさ」でした。(創業時のエピソードは過去にも書いておりますので、よろしければご覧ください)

当時は「働き方改革」という言葉が生まれる前で、「責任ある仕事をしたいのだったら長時間労働は当たり前」の風潮がありました。このため育児や介護を理由に時間に制限(制約)が生まれるとなかなか仕事を任せてもらえなかったり、成果を発揮しても評価されなかったり…そのことに葛藤し、モヤモヤを抱えている女性たちが非常に多かったのです。そうした先輩女性の姿を見て結婚や出産などのライフイベントを迎える前の女性たちも「育児と仕事の両立は難しいのではないか?」「子どもを産んだらキャリアはあきらめないといけないのではないか?」などの不安に直面していました。

そこで私たち創業メンバーは、専門性が活かせて時間・場所の自由度が高い働き方(=フリーランス)をご紹介することで女性たちの生き方の選択肢を広げられるのではないかと考えました。当時、私も大手出版社を辞めてフリーランスとして働き始めたころで、まさに自分自身もフリーランスという働き方の可能性を実感していました。こうしてビジネス系フリーランスとして働きたい女性と企業との仕事のマッチングをおこなうサービス「Warisプロフェッショナル」が生まれました。2016年からは離職女性の再就職支援サービス(=「Warisワークアゲイン」)にも取り組んでいます。

増えているようで増えていない、日本の女性リーダー層

Warisを創業して8年になりますが、社会の要請やテクノロジーの進化もあり働き方の多様化は猛烈なスピードで進みました。今では副業や兼業、フリーランス、リモートワークに関するニュースを毎日のように目にする機会があり、2013年当時と比べると隔世の感があります。

しかし女性のキャリアパスの観点からすると、日本では女性リーダーがほとんど増えていない現実があります。厚労省の「令和元年度雇用均等基本調査」によれば、企業における女性管理職比率は11.9%(課長相当職以上・役員ふくむ)で、平成21年度の10.2%から10年でわずかに1.7%しか伸びていません。

上場企業における女性役員比率はいまだに6.0%にとどまり、女性役員数ゼロの上場企業も全2,240社のうち51.4%と半数に及んでいます(※1)。「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%程度にする」という政府目標(通称「2030」)が先送りになったのも記憶に新しいところです。

企業経営における多様性推進は世界的な潮流へ

一方で東京証券取引所は2018年に改定した企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)で女性や外国人などを取締役に入れるよう求めているほか、2021年春の改定においても取締役の3分の1以上を独立した社外人材から選ぶよう求めるなどの内容を盛り込む予定と言われています(※2)。米ナスダック市場においても上場する全社を対象に取締役会メンバーに女性やマイノリティー(少数派)の起用を義務付ける新たな上場規則案が米証券取引委員会に提出されており(※3)、企業経営における多様性推進は世界的な潮流となっています。

もちろん「女性=多様性」では決してありませんし、「女性であること」はきわめて表層的な属性の話にすぎません。けれども「女性である」がゆえに男性以上に多様な経験を有している可能性はあります。

女性のキャリアは「ジグザグ型」だと表現されます。そもそも男女の性別役割分業意識が根強く、固定化しがちであるがゆえに出産や育児による休業や時短勤務、パートナーの転勤帯同に伴う離職やそこからの再就職といったキャリアの変化に直面しやすい傾向があります。あるいは、女性であるがゆえに仕事をまかせてもらえない、評価がえられにくいといった場面に遭遇し、よりやりがいある環境を求めて転職や独立に一歩を踏み出した女性たちも…。学校を卒業して、勤務し、退職する--そうしたシンプルな一本道では決してないことが多いのです。皮肉なことかもしれませんが、企業が女性の力を活かしきれてこれなかったからこそ、女性の経験が多様になったとも言えます。

しかしながら、今こそ日本企業に求められているのはこうした経験の多様性ではないでしょうか?多様な経験を有しているからこそ創出できるイノベーションがあり、多様な経験を有しているからこそ回避できるリスクがあります。私たちWarisは「Warisエグゼクティブ」を通じて日本企業の経営における多様性促進に少しでも寄与できればと思っています。また、女性たちが大手企業で長期勤続を前提として時間をかけてキャリアアップを図るだけでなく、転職や独立を経験しながら他社で役員になっていくといった多様なキャリアパスを実現するお手伝いもできればと考えています。

女性エグゼクティブ同士のつながり、そして次の世代に向けて伝えたいこと

もうひとつ、本サービスを通じて実現したいことがあります。それは女性同士の横のつながりです。サービス設計にあたり、複数の女性エグゼクティブのみなさんからお話を聞かせていただきました。その中で出てきたお話が「女性役員の孤独」です。そもそもロールモデルが少ないですし、女性であるがゆえに寄せられる期待や心理的プレッシャーもある。そうした女性同士が経験をシェアしたり学びあえたりする場をつくっていければうれしいです。

加えて、この取り組みを通じてこれからリーダーを目指す20代30代の女性たちに対して、リーダーになることのおもしろさややりがいを少しでもお伝えできたらという想いもあります。私自身、20代のころ「リーダーになりたい」とはみじんも考えていませんでしたが、創業メンバーたちと出会い、Warisというプラットフォームを通じてたくさんの女性のみなさん、企業のみなさんとの出会いがあり、会社を経営することで社会を良くすることに貢献できる、小さくても確かな手ごたえを感じています。

私たちWarisが掲げるビジョンは「Live Your Life すべての人に、自分らしい人生を。」です。コロナ禍の先行き不透明な時代ではありますが、それでも、今この瞬間に「自分らしい」人生にチャレンジするすべての人を、私たちのサービスを通じて応援してまいります。

(※1)東京商工リサーチ「2020年3月期決算上場企業2,240社 『女性役員比率』調査」より
(※2)日本経済新聞2020年12月5日報道より
(※3)日本経済新聞2020年12月2日報道より


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