フリーランスのメリット・デメリット【会社員との比較】
こんにちは。
株式会社Waris共同代表で、フリーランス協会理事キャリアコンサルタントの田中美和です。
今日のテーマは「フリーランスのメリット・デメリット」についてお話ししたいと思います。
私自身、フリーランスとして働きたい方と企業とのマッチングの仕事をしているので、このテーマについては本当によく聞かれます。
そこで今回は、会社員と比較をしながらフリーランスのメリット・デメリットについてお伝えしますね。
▼目次
1. フリーランス 2つのメリット
1-1. 働く時間・場所にとらわれにくい
1-2. 専門性を磨きやすい
2. フリーランス 2つのデメリット
2-1. 収入が不安定
2-2. 社会保障が手薄
3. それぞれの働き方にメリット・デメリットはある
4. 働き方は人生のステージごとに多様化している
フリーランス 2つのメリット
では、まずはフリーランスのメリットについてですね。
いろいろと論点はあると思いますが、大きく二つのポイントでお話ししたいと思います。
働く時間・場所にとらわれにくい
まず一つめは、働く時間・場所にとらわれにくいということが挙げられます。
フリーランスは会社員ではないので、就業規則の対象ではありません。そういう意味では、働く時間・場所にとらわれず自由に働かれている方が多い印象です。
例えば、数年前に私たちの会社で調査をしたとき(コロナ前)、クライアントのオフィスに常駐して仕事をすると答えた人は2割ぐらいしかいませんでした。
逆に言うと、8割近くの方はリモートワーク・テレワークを活用しながらお仕事をされている状況でした。現状でも、その傾向は強いと思います。
特にコロナでより一層、リモートワーク・テレワークでお仕事をされているフリーランスの方が増えたなという印象があります。企業からのお仕事でも、フルリモートワーク・テレワークOKですというお仕事も増えてますね。
会社員との比較で言うと、やはりコロナでテレワークが進んだといっても中々在宅勤務ができませんという企業もまだまだ多いのでは?と思います。
フリーランスの場合は、自分がいつどこで、誰とどんな仕事をするかを自分で決めていく働き方になります。
これは非常大きいメリットだと言えるのではないでしょうか。
専門性を磨きやすい
もう一つのメリットとして私がよくお話しするのは、専門性を磨きやすいことですね。
フリーランスとして企業と一緒に仕事をしていく場合、業務委託契約を結んで働くケースが一般的です。
業務委託契約なので「この業務に関してあなたにお任せします」という契約スタイルになります。
ですので、やはりその企業が業務をあえてお任せしたくなるぐらい、自分の得意な領域だったり専門性のある領域に関して業務の発注・依頼がくる形になります。例えば、広報やマーケティング、人事などですね。
自分自身の「ここでキャリアを積んでいきたいな」という専門的な領域に対して仕事が来ますし、その部分を深めやすいというのがメリットになると感じています。
こういったお話しをすると、「専門性といわれても・・弁護士や会計士のような士業の資格は持っていません」とおっしゃる方もいます。
ですが、必ずしも専門性というのは士業ってことではなくて、これまでにお話しした通り、営業や人事経理、広報やマーケティングなど、特定の職種においてある程度の知識や経験があることが、フリーランスとして活躍していく上での専門性に繋がってきます。
また、やはり会社員となると、どうしても異動がありますよね。
自分としてはもっとこの領域を深めたいと思っていても、やはり会社の方針として「○○さんここの部署に異動してください」というようなお願いが来る・異動命令がくることはよくあります。
自分自身の思っている通りには専門性を深めていけないのが、実情ではないでしょうか。
フリーランス 2つのデメリット
続いて、フリーランスにはどんなデメリットがあるのかについてお話ししようと思います。
こちらも大きく2つのポイントでお話ししていきますね。
収入が不安定
まず一つめは、収入が不安定であるということ。
会社員の場合、毎月25日や月末など、決まった期日に決まった金額が定期的に振り込まれます。
いっぽうで、フリーランスの場合は複数のクライアントとお仕事をしているので、お金の入ってくるタイミングはバラバラですし、金額自体もクライアントとの取引内容によって様々です。
ですので、収入が不安定になりがちというところはあります。
実は、この収入の不安定さをリスクヘッジする方法はあるのですが、どうしても会社員と比べると収入の不安定さがあるのは仕方がない状況かなとは思います。
社会保障が手薄
もう一つのデメリットは、社会保障が手薄ということですね。
どういうことかというと、社会保険を考えたときにどういった種類があるのかご存じでしょうか?
社会保険は、大きく分けて5つあります。
・医療保険
・介護保険
・年金保険
・雇用保険
・労災保険
この辺りを含めて社会保険といわれています。
フリーランスの場合、雇用されているわけではないので雇用保険は入れません。
そして、失業したときに失業給付が出るのが雇用保険。この雇用保険にも、フリーランスは入ることができません。
また、仕事上でケガなどをした時の保険労災保険に関しても、一部の職種を除いて自分から加入することはできません。
フリーランスは自分で国民年金・国民健康保険に加入するのですが、会社員の場合は、社会保険の保険料を会社が半額負担してくれているんですよね。
自分が払わなければいけない金額の半額を会社が負担してくれています。
いっぽうで、フリーランスは全額自己負担。
そういう意味では、非常に負担が大きいと感じる人が多いかもしれません。
それぞれの働き方にメリット・デメリットはある
いかがでしたでしょうか。
改めて考えてみると、働き方にはいろんな働き方があって、正社員・契約社員・派遣社員・パートアルバイトなどあったりもしますよね。
私自身、それぞれの働き方にメリット・デメリットがあるなと思っています。
例えば、正社員では安定した処遇と給料が得られたり、責任のある企業の基幹となるやりがいのある仕事をできるというメリットがあります。
その反面、デメリットとしては、働き方改革進んできたとは言っても、責任のあるポジションになればなるほど長時間労働になりがちな側面はあります。
在宅勤務を導入しない企業もまだまだ多いので、そういったところもデメリットになるのかなと感じています。
また、責任のあるポジションになればなるほど、責任の大きさも大きくなっていくので、これもまた正社員の特徴ですよね。
正社員・契約社員・派遣社員・パートアルバイト・フリーランス、それぞれメリット・デメリットがあるので、自分自身が納得感をもって選ぶのが最も大事ではないでしょうか?
働き方は人生のステージごとに多様化している
実際、私たちは人生の各ステージごとに働き方も変わってきています。
今までは正社員で働いていたけども、これからしばらくはフリーランスで働く、という時期もあると思います。
自分自身で働き方を選んでいく、これがとても大事なんだと思います。
最近では働き方がとても多様化しているので、例えば、正社員で働きながら副業でフリーランスをやってるよという方もいらっしゃいます。
他にも、フリーランスで数年お仕事されてて、また組織で働きたいからという理由で正社員に戻っていかれる方もいます。
つまり、社員かフリーランスかっていう対立構造というよりは、そこを自由に行き来したり、両立したりできるようになってきました。
本当にいい時代になってきましたね。
今日は「フリーランスのメリット・デメリット」を会社員と比較しながらお話ししてきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※この記事はWaris共同代表の田中美和が音声プラットフォームVoicyの自身のチャンネル「自分らしいキャリア100のヒント」にて配信した内容を元に作成(一部追記/修正あり)したものです。
Waris共同代表・国家資格キャリアコンサルタント
田中美和
大学卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現日経BP社)入社。編集記者として働く女性向け情報誌「日経ウーマン」を担当。フリーランスのライター・編集・キャリアカウンセラーとしての活動を経て2013年多様な生き方・働き方を実現する人材エージェントWarisを共同創業。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』。一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア ・フリーランス協会」理事