4月15日開催Waris10周年記念イベント1部「女性×はたらく これまでの10年 これからの10年」レポート

こんにちは。
株式会社Waris人事チーム・マーケティングチーム・カルチャーイノベーションチームの篠原です。

株式会社Warisは創業10周年を記念し、4月15日(土)に「女性×はたらく これまでの10年 これからの10年」をテーマに無料のオンラインイベントを開催いたしました。

1部ではジャーナリストの浜田敬子さん、心理学者の杉山 崇さん、講談社「ミモレ」の川良咲子編集長といった多彩なゲストをお迎えし、過去10年の女性の働き方を振り返るとともに、自分の手で主体的にキャリアをつくっていく「キャリアシフト」の起こし方について対談形式でお話いただきました。今回は10周年記念イベント1部のレポートをお届けいたします!

ジャーナリスト浜田敬子さんと考える!前向きな『キャリアシフト』を起こすマインドセット

第1部の前半は、「ジャーナリスト浜田敬子さんと考える!前向きな『キャリアシフト』を起こすマインドセット」です。
Warisが実施した調査によれば、転職・独立・再就職・リスキリングなど自らの意思で主体的にキャリアを移行・形成する「キャリアシフト」を経験している人ほど、働きやすさの実感につながっています。しかし興味はあっても「どうやってキャリアシフトを起こしたらいいかわからない」人が多いのではないでしょうか。こちらのセッションでは女性の働き方を長年取材してきた浜田さんとともに、女性が主体的にキャリアを切り拓くうえでのポイントを考えるほか、50代の現在も「キャリアシフト」を起こし続けている浜田さんの経験談から私たちの明日のキャリアを考えるヒントを探りました。

話し手は、ジャーナリスト/浜田敬子さん、そして聞き手は弊社共同代表の田中美和 米倉史夏 河京子です。

田中: この10年の働き方の変化をどのように感じていらっしゃいますか?

浜田: 今回Warisさんの調査結果で7割以上の女性がこの10年で働きやすくなったと回答している背景には、大きく分けて3つ要因があると思っています。まず1つ目は、制度の充実(子育て・介護等と仕事との両立支援制度の整備)、2つ目は社会インフラの充実(以前と比べて保育園に入り易くなったなど)、3つ目に働き方改革(リモートワークの普及など)があります。
リモートワークは6歳以下のお子さんをもつ人にとっては生産性が上がっているという調査結果も出ています。ただ、働きやすさが向上して就業継続はできている方が増えたなか、望むキャリアにつけているかと思うと、そうでもないケースもあると思います。そして、非正規雇用の方は働きやすさはあまり上がっておらず、一旦離職した女性が正社員で復帰するというのはまだまだ厳しい世の中といえます。

米倉: 再就職をしようとする女性の受け入れに、まだ企業側のマインドセットが伴っていないと感じることはありますね。受け入れしていないぶん、仕事上のブランクがある女性が活躍するという実感をまだ得られていないというのもあると思います。
Warisでは、ポテンシャルが高いのに活躍のチャンスに恵まれなかった女性たちを、リスキリング事業を通してこれからも支援してまいります。

浜田敬子さんご自身のキャリアシフトとは?

田中: 浜田さんご自身のキャリアシフトについて教えてください。

浜田: 「ライフシフト」の著者であるリンダ グラットンさんが来日した際にモデレーターをつとめました。当時は編集長の仕事に熱中しつつも疲れていて、リンダさんに、「60歳くらいまで今の会社で勤めた後、引退してからの老後がすごく楽しみなんですよね」と話したんですね。そうしたら、「なにを言っているの!あなたの世代だったらこの先90代半ばくらいまで生きるわよ。引退してガーデニングなどに勤しむ私の友人はみなその生活に飽きを感じていて、仕事をしない人生はつまらないと言っているし、私はこれから何冊も本を書いていきたいと思っている」と言われました。AERA時代、人生100年時代キャリアについて論じた「ライフシフト」の本についての特集をしたのにもかかわらず、何か自分とは遠いことのように感じていて、我がごととは思っていなかったんですね。

でも実際60代70代と働くことを考えていた時、自分には決定的に足りないスキルがあると思いました。それまで紙のメディアしか経験したことがなくて、デジタルスキルも知見もなかった。長くニュースメディアで働いていこうと思ったら、デジタル経験を積まなければと思っていたところに、ビジネスインサイダージャパンの編集長に、とお声がけいただき、転職を考え始めました。
周囲からはこのまま新聞社にいれば退職金ももらえるし、もったいないと言われたけれど何もしないことがリスクだと明確に思い、キャリアシフトを決意しました!

河: 人って、同じ夢を持ち続けないといけないと思い込みがちですけど、実はそうではなくて、好きな仕事を頑張ってきたその先に新しい選択肢や夢が広がりますよね。

浜田:かっこいい転職ではなかったけど、何歳になってもチャレンジできるんだ!ということが分かったことが本当に良かったと思います。初めてのデジタル媒体ということで自分に足りない部分は若い人にたくさん教えてもらいましたし、逆にトラディショナルなメディアで培った編集スキルや人脈など自分が若い人にシェアできることもたくさんありました。

行動をおこすリスクと行動をおこさないリスク

田中: キャリアシフトするにあたり、不安に思った点はありましたか?

浜田: 失敗含め財産になると思っていたので、それほど不安ありませんでした。ゼロから立ち上げるメディアの編集長だったので、うまくいく保証は全くないわけです。それで自分のキャリアを考えたら、一度デジタルメディアを経験していないことの方がリスクだと感じていました。なので、ここは動かないほうがリスクだとは感じたんですね。同じ所にいたら同じことの繰り返しで学べることは少なくなる。。だったら自分から居場所を移す、そして居場所を移すと経験値が増えるという風につながっていきました。これまでのキャリアの積み上げの中から、自分のポータブルスキルと足りないスキルは何なのか?ということを認識できたことも良い機会でした。そして、新しいことを始めるのはとにかく楽しかったです。

2013年のWarisさんの創業当時を覚えていますが、女性に多様な働き方を提供するというビジネスモデルが素晴らしかったし、3名の女性が力を合わせて起業したことで勇気をもらいました。

田中: 「居場所を移す」というのがキーワードですね。居場所を移すことで新しい発見や出会いがあると。キャリアシフトを成功させる秘訣はありますか?

浜田: 直面することは同じでも、それをチャンスと見るかリスクと見るかで違ってくると思います。私は、リスクよりも、新しい挑戦にわくわくする気持ちを大切にしましたし、ダメだったら、またキャリアチェンジすれば良いと考えていました。そして、そこでの経験は絶対に無駄にはならないと思います。日本はジョブホッピングを繰り返す人に対してあまりポジティブに見られない風潮がありますが、ひとりの中に多様性がありそれが価値と認められる日は近い将来必ず来ると思っています。

田中: これからの10年の女性の働き方はどうなっていくんでしょうか?

浜田: これからは、暮らしと仕事がどんどんシームレスになっていくと思うので、暮らしと仕事を同時に豊かにしていく必要があります。まずは自分が楽しむことと、そのなかにどうやって仕事を入れていくかという考え方になっていくでしょう。柔軟な働き方を認めてくれる企業はあるし、人が足りていない企業に対しては交渉が出来るので、他人の評価ではなく、自分の評価軸で仕事を選んでいくことが大切だと思います。

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私たちも『キャリアシフト』できる?心理学的アプローチで考える行動の起こし方

第1部の後半は、「私たちも『キャリアシフト』できる?心理学的アプローチで考える行動の起こし方」です。
「キャリアシフトしてみたい!」と思ってみても、「私にできるだろうか?」「失敗するかも…?」など心配や不安によってなかなか一歩が踏み出せない…そんな人は多いのではないでしょうか?こちらのセッションでは心理学者でキャリアの専門家でもある杉山 崇先生と一緒に迷いを手放し、勇気を持って一歩を踏み出すための行動の起こし方、心のときほぐし方について考えます。
話し手は、心理学者/キャリア専門家の杉山 崇先生、そして聞き手はミモレ編集長の川良咲子さんです。

こちらのセッションは、参加者からのお悩み相談をいくつか抜粋し、杉山先生にお答えいただきました。

自分軸で、自分にとっての充実が何かを求めていき実現していく

川良: 出来る限り仕事を続けたいけど、ワークとライフを同時に豊かにしたい、どうしたら良いのでしょうか?というご質問をいただいています。

杉山: 年齢を重ねるということはよくも悪くも無理がきかなくなってきます。でも年齢を重ねると良いこともあって、それは、自分について分かってくることがたくさんあるということです。絵に描いたような充実をSNSで披露するような時代になってきていますが、何をもって充実と呼ぶかは自分が決めること。自分の充実とは何か?というのは年齢を重ねてこそ分かってくるので、自分軸で充実が何かを求めていき実現していくということがワークとライフを同時に豊かにするカギだと思います。充実感を感じるとみな若返りますよ!

川良: ミドルやシニアの女性はどのようにチャンスを作っていけば良いのですか?

杉山: ミドルやシニアの女性含め皆に可能性はありますし、チャンスがわたるように社会の設計をしないといけないと思いますが、今はそうなるための過渡期。チャンスはどこ?機会はどこ?と探すのもひとつの手ですが、チャンスを自分で作るのもおすすめです。例えば、誰かに働きかけて動いてもらう、ですとか誰かと誰かをつないだら新しい何かが生まれる、などチャンスの作り方を探っていくのも手かもしれません。

みんなが大きな挑戦をしないといけないわけではなく、大きな挑戦、小さな挑戦、自分に合った行動をしていけば良い

川良: 自分軸の考え方について教えてください。

杉山: 何を好むか好まないかという持って生まれたものは基本的には不変です。持って生まれた何を求めているかを探ることが自分軸を知る第一歩だと思います。何を好むか好まないかは、遺伝傾向として、脳内物質の発し方が違うんですね。
新しい挑戦が苦手な人もいるので、誰もが新しい挑戦をするべきだとは言えません。自分の魂が求める範囲内で挑戦していけば良い。みんなが大きな挑戦をしないといけないわけではなく、大きな挑戦、小さな挑戦、自分に合った行動をしていけば良いと思います。

川良: 「小さな挑戦で今日は参加しました!」というコメントをいただきました、嬉しいですね!杉山先生、最後に、行動を起こしたい女性に向けて一言メッセージをお願いします。

杉山: 行動をおこす理由を見失わないことが大切です。誰かに触発されての行動だったら、自分の何を触発されたのか自分ととことん対話してください。何のために行動したいのか。一番良くないのは行動することが目的化してしまい、行動するだけで安心してしまうこと。そうなると何も残らず、魂が寂しいことになってしまいますので、自分の魂とぜひ対話してみてください!

田中: 自分自身で自分のことに気付けないことがあると思うのですが、そういった時はどうしたら良いのですか?

杉山: そういうときは、支配欲のない愛情を持って自分を客観的にみてくれて、自分を大切に思ってくれる人と対話するのが良いと思います。もしそういう人が身近にいない場合は、カウンセリングを受けたり、キャリアコンサルトに相談したり、プロの力をお借りするのはいかがでしょうか。

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10周年記念イベント1部にご参加・ご視聴いただきありがとうございました!
私たちWarisは、自分自身のありたい姿(Will)にそって、これまでの経験やスキルを活かし、学びの機会や新たな仕事の機会を得ることで、主体的にキャリア選択をしていくことを「キャリアシフト」と定義しています。転職や独立、再就職や副業など、幅広い選択肢のなかでキャリアを広げていくことが、自分らしい生き方をはじめる一歩につながっています。

Warisが提供するキャリアシフトプラットフォームについては、ぜひ10周年記念サイトをご覧ください。
▼Waris10周年記念ウェブサイトはこちら

Warisは「エージェント事業」、「リスキリング事業」、「ソリューション事業」を通じて、すべての人の「自分らしい人生 (Live Your Life)」を引き続き応援していきます。