カスタマーサクセスの業務委託にフリーランスをおすすめする4つのメリット
カスタマーサクセスは、SaaS企業を中心に人材需要が高まっている比較的新しい職種のひとつです。
今後も高まっていくと見込まれますが、まだまだ経験者の数は少なく、採用市場の表側に出ていることは少ないと言えます。
そこで近年、経験者採用の難しさやカスタマーサクセス組織の新規立ち上げを主な背景として、カスタマーサクセス業務をフリーランスに業務委託する企業が増えています。
今回の記事では、カスタマーサクセスの業務委託にフリーランスをおすすめするメリットと活用事例を紹介します。
▼ 目次
1. カスタマーサクセスの業務とは?
3. カスタマーサクセスをフリーランスに業務委託するメリット
3-1. カスタマーサクセスの戦略から実務まで任せられる
3-2. 市場に不足している実務経験者を柔軟に採用できる
3-3. 年収800~1000万クラスの経験者を月30~50万円で活用可能
3-4. お試し採用(入社)としての活用も可能
4. カスタマーサクセス×フリーランス人材の業務委託事例
4-1. SaaS系企業でのカスタマーサクセス業務
4-2. AIを活用した会計支援サービスでのカスタマーサクセスエンジニア
1. カスタマーサクセスの業務とは?
カスタマーサクセスは、顧客のニーズや課題を把握し、解決策を提供し、自社製品やサービスの最適な活用を支援して、顧客の成功を促進するポジションです。また、長期的な関係構築のために、顧客とのコミュニケーションや関係構築を担当します。
この職種には、顧客とのコミュニケーション、ニーズや課題の理解、解決策の提供、製品やサービスの最適な活用方法のサポート、問題解決やトラブルシューティングなどが含まれます。さらに、顧客からのフィードバックや市場動向を把握し、製品戦略や営業戦略に貢献することも求められます。
カスタマーサクセスは、2010年代から確立された比較的新しいポジションで、主にIT企業やSaaSスタートアップ企業を中心に拡大してきましたが、現在ではは大手企業でもカスタマーサクセス部門を設置している企業が増えており、IT企業を中心に人材需要が拡大しています。
2. カスタマーサクセスのフリーランスとは?
「フリーランス」と聞くと、IT系のエンジニアやプログラマー、またはクリエイティブ系のライターやデザイナーなどを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、政府や企業が副業やパラレルキャリアを促進する中で、これら以外の領域でもフリーランスとして活躍する人々が増えています。
特に、営業やマーケティング、経営企画、事業開発、人事などの分野で活躍するフリーランスは、「ビジネス系フリーランス」と呼ばれ、企業にとっては事業成長の観点から強力な存在となっています。
フリーランスは、カスタマーサクセス部門を新たに立ち上げる場合や、正社員での人員補充ができない場合に採用されています。専門的な知識を持ったプロ人材は、企業にとって貴重な存在となっています。
出典:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
3. カスタマーサクセスをフリーランスに業務委託するメリット
では、カスタマーサクセス業務を一般的な営業代行サービスや顧問サービスではなく、フリーランスに業務委託する具体的なメリットを見ていきましょう。
3-1. カスタマーサクセスの戦略から実務まで任せられる
いわゆる「プロ人材」といわれるフリーランスはスタートアップ企業や大手企業で10年前後の業務経験があり、専門スキルをもった30~40代の現役ミドル世代の人材が多く活躍しています。
Warisプロフェッショナルのようなマッチングサービスでは、事前に面談を行い、独自の評価シート等により、登録している方の事業のカスタマーサクセス分野でのスキルや専門性を正確に把握していることが多く、「自走性」と「確動性」を兼ね備えたプロ人材と出会うことができます。
プロ人材として活躍されている方は「非定型業務」の経験を豊富に有しているため、細かい指図や管理をせずとも、高度な非定型業務をおまかせしたい」シーンに向いています。
また、一般的な顧問サービスとも違い、カスタマーサクセスに関する幅広い業務について、単に分析やアドバイスを行うだけでなく、KPI管理や顧客コミュニケーなどの実務までお願いすることができるのも大きな特徴です。
3-2. 市場に不足している実務経験者を柔軟に獲得できる
「カスタマーサクセス部門を新たに立ち上げたい、または大幅に拡充したい」
「カスタマーサクセス責任者の右腕として、KPI管理や現場へのタスク落とし込みなどのプロセス面を中心に手伝ってほしい」
「人員が慢性的に不足しており、オンボーディングに時間がかからない経験者をすぐに採用したい」
こんなことを考えたことがある方は多いのではないでしょうか?
カスタマーサクセスを委託できるサービスは、営業代行サービスや派遣会社など、複数ありますが、それらを使いこなすためにはそれなりのコストと時間、そして労力が必要です。
その一方、フリーランスは多くの業務経験と知識を持っているため、業務を細かなタスクまで切り分けずとも「ミッション型」や「プロジェクト型」で柔軟に業務を委託することができます。
例えば、まずは、特定顧客の担当として、まずはカスタマーサクセス業務を「プロジェクト型」で担っていただき、自社製品の理解を行い、課題点を把握した上で、カスタマーサクセス全体プロセスにおける改善案の作成を「ミッション型」としてお願いすることも可能です。
また、責任者の伴走者として、責任者と同じ視点で物事を見てもらい、それぞれのフェーズにおいて、客観的なアドバイスをもらいつつ、その方が得意な領域についてはハンズオンで一部の業務を担っていただくことも可能ですし、最初から現場の1担当として、複数顧客のカスタマーサクセス業務を担っていただくことも可能です。
3-3. 年収800~1000万クラスの経験者を月30~50万円で活用可能
フリーランスとの契約は業務委託契約が一般的です。
ですので、社会保険等の費用負担がなく、必要な時に必要なだけ業務を委託することが可能です。このため、本来固定費であるはずの人件費を変動費にすることができるが大きな特徴です。
そのため、企業によっては人事部の予算(人件費)ではなく、プロジェクトや事業部門の予算(外注費)で決裁をとるケースもあるようです。
フリーランス人材は正社員時代に800万円~1,000万円程度の年収を得ていた層が中心となりますが、業務や稼働時間を限定的にすることで、月額30~50万円程度(週2~3日/1日7時間稼働を想定)からカスタマーサクセス業務を委託することもできます。
双方の合意に応じて、業務内容や契約期間を柔軟に調整することができるため、「週1回は出社して打ち合わせ、残り2日はリモート勤務、必要に応じてオンライン会議」ような働き方の相談もできます。
3-4. お試し採用(入社)としての活用も可能
近年、フリーランスが業務委託契約で入社し、半年から1年間の稼働後に正社員(雇用)契約に切り替えるケースも増えています。
最初から正社員として雇用をすることに不安を感じる企業と、他業務と並行して稼働できる案件を探しているプロ人材のニーズがマッチし、業務委託として稼働を開始した後、企業側からフリーランス人材への評価や、フリーランス人材側の働き方や稼働工数の変化などによって、双方のタイミングがあった際に、正社員に切り替えることがあるようです。
この場合、企業、フリーランス人材双方とも、「お試し採用(入社)」的な位置づけで、業務を開始できるため、ミスマッチの発生が減らすことも可能です。これらのメリットに着目し、フレキシブルな採用手法の一つとして積極的に取り組んでいる企業もあるようです。
4. カスタマーサクセス×フリーランス人材の業務委託事例
ビジネス系フリーランスと企業のマッチングサービス「Warisプロフェッショナル」でカスタマーサクセス領域のフリーランス人材に業務委託した事例をご紹介します。
4-1. ヘルスケア系サービスのカスタマーサクセス業務
■ 企業
ヘルスケア系サービスを運営する成長中ベンチャー企業
■ フリーランス人材
30代 女性
複数社での営業経験を積んだ後、フリーランスとして独立。自身でも複数のサービスを立ち上げ経験があり、toB向けの商品やSaaSシステム、人事サービスなど幅広い商品を取り扱う。営業戦略の策定から実行、契約締結まで、ハンズオンで対応可能なプロ人材。
■ 業務内容
・成約後の運用方針のすり合わせ、導入後のサポート
・運用における企業担当者からの相談対応
・クライアントからの改善提案などについて、開発部門へのフィードバック
■ マッチングの概要
・業務委託契約
・基本リモート勤務(月80時間程度)
・契約期間:3ヶ月~
4-2. AIを活用した会計支援サービスでのカスタマーサクセスエンジニア
■ 企業
SaaS領域で急成長中のスタートアップ企業
■ フリーランス人材
30代 女性
複数の企業で、システム開発プロジェクトのマネージメントや業務改善・自動化、人事業務のRPA支援プロジェクトを担当し、技術的な専門知識も備えたプロ人材。2020年頃からフリーランスとして活動し、自身でもアプリやWEBサービスの開発を手がける。
■ 業務内容
技術面を中心としたカスタマーサクセス業務
・お客様の課題の的確な把握
・サービス導入に向けた技術調査・導入サポート
・導入決定から安定稼働化までに発生する技術的な課題の解決支援
■ マッチングの概要
・業務委託契約
・打合せベースの出社+リモートの稼働(月50時間)
・契約期間:3ヶ月~
5. まとめ
どのようなバックグラウンドをもったフリーランス人材を、どのようなカスタマーサクセス業務で活用できるのか、具体的なイメージはわきましたでしょうか?
働き方の多様化や大企業の副業解禁が増加する中、いま注目が高まっているフリーランス人材。
カスタマーサクセス業務を外部委託する際に、営業代行サービスや顧問サービス、派遣会社ではなく、フリーランスを活用することで、経営企画や経営戦略の経験豊富な現役ミドル人材に「ミッション型」や「プロジェクト型」などのより柔軟な形で、30~50万円/月で業務をお願いすることが可能になります。
カスタマーサクセスに必要な経験やノウハウをもった人材が社内にいない、責任者の右腕がほしい、そういう正社員もなかなか採用できないという課題を抱える企業は活用を検討してみてはいかがでしょうか?