10/2(水)「事業推進責任者必見!ベネッセの事業グロースを加速させた”プロ人材”の賢い活用戦略」ウェビナーレポート

■ はじめに

2024年10月2日に開催したウェビナー『事業推進責任者必見!ベネッセの事業グロースを加速させた”プロ人材”の賢い活用戦略』の概要レポートをお届けします。

2019年のスタート以降、約1,300社を超える導入を実現したベネッセの「Udemy Business」。これまでの事業領域とは異なる社会人領域かつBtoBの分野で、新規事業の日本市場開拓を牽引して来られた、Udemy事業責任者の桃井様とマーケティング担当の眞道様をお迎えし、事業成長を実現させた外部人材の効果的な活用方法をお伺いしました。本レポートではイベントで話題に上がった一部を抜粋してご紹介します。


▼目次
1. 業務委託の契約形態の違いとは
・業務委託契約の種類
・契約形態ごとの業務範囲の考え方

2. 既存事業におけるプロ人材活用
・プロ人材導入の背景はスピードとノウハウ
・外部人材への発注業務やチームとの関わり方
・依頼する業務範囲によってコミュニケーションの取り方を工夫する

3. 新規事業の立ち上げ期におけるプロ人材活用
・新規事業の企画段階ではプロ人材の知見シェアが成功の鍵に
・正社員では採用できないハイスキルな人材が見つかる
・社内や承認者にも「プロ人材と1つのチームとして動く」と通しておく

4. 新規事業の拡大期におけるプロ人材活用

5. プロ人材に活躍してもらうために

6. Q&A


1. 業務委託の契約形態の違いとは

Udemy事業でのプロ人材活用のお話をいただく前に、業務委託契約の種類とそれぞれの業務範囲についてWaris代表の田中より解説しました。

・業務委託契約の種類

業務委託契約の種類には、「委任」「準委任」「請負」があり、契約形態ごとにお任せできる業務の範囲が異なってきます。

・契約形態ごとの業務範囲の考え方

フリーランス協会の区分によると、バナー作成やロゴデザイン、データ入力や翻訳業務、リサーチ業務など、納品物が極めて明確な場合を「タスク型」としています。タスク型は請負契約が中心となります。

次に、例えば半年間で社内システムを導入・開発する、人事制度を設計するといったものはプロジェクト型です。

他にも「ミッション型」があり、例えば企業の認知向上というミッションだったり、企業の人材開発を担う採用から育成までに携わるというミッションに対して、報酬が発生してくるという関わり方です。この場合、特に契約の期間は定まっていないことが多いです。

「プロジェクト型」と「ミッション型」は準委任契約が中心となります。

2. 既存事業でのプロ人材活用

Udemy事業本部のマーケティング部門で、行政・自治体や中小企業向けのデジタルマーケティングを担当している眞道様より、外部プロ人材の活用状況をお話しいただきました。

・プロ人材導入の背景はスピードとノウハウ

デジタルマーケティングを進める中では、多くのコンテンツを制作する必要があるため、外部のクリエイターやマーケターと連携して事業を進めています。社員だけでは対応できないスピード感やノウハウを外部から補完するために、プロ人材を活用しています。

特にここ一、二年は中小企業向けにマーケティングを強化していく方針があり、ゼロベースで動くことも多く、社員だけではなかなか初速スピードを出せなかったということがありました。ノウハウやコンテンツがない中なので、外部の人材の力を借りて連携しながら進めていこうという判断になりました。

・外部人材への発注業務やチームとの関わり方

具体的には、マーケティング施策として自治体や企業へのインタビューを通じた事例記事を作成しており、外部のライターやクリエイターと連携して行っています。資料設計やダウンロードコンテンツの企画・制作は、副業のマーケターと連携して進めています。また、見込み顧客の獲得に向けたマーケティング戦略の立案から運用まではマーケターに依頼しています。

ライターは2〜3名、マーケターは各プロジェクトごとに1名の方に業務をお願いしています。稼働ボリュームやコミットメントでいうと、ライティング業務は案件ベースですね。マーケティング業務は、事業の柱となる戦略やミッションなどを理解していただきつつ、企画や目的を意識しながら施策を作っていただくので、チームの一員のような形で月70時間程度の稼働をいただいています。

・依頼する業務範囲によってコミュニケーションの取り方を工夫する

冒頭の説明でもあったような、記事を納品いただくようなタスク型であれば、どういう記事を作っていくかだったり、どのように質を高めてもらうかであったりの具体的な依頼内容をコミュニケーションするようにしています。ミッション型やプロジェクト型のような業務のご依頼であれば、より目指していくことや目的などに重点をおいてコミュニケーションしています。どちらの場合でも、それぞれに期待する成果の部分を言語化してお伝えすることが大事ですね。

3. 新規事業の立ち上げ期におけるプロ人材活用

新規事業の企画から承認段階における外部プロ人材の活用について、Udemy事業を初期から推進されてこられた桃井様にお話しいただきました。

・新規事業の企画段階ではプロ人材の知見シェアが成功の鍵に

自社でも後発となる社会人領域への学びの機会提供をUdemy事業で展開していくわけですが、企業研修や育成の一環として位置付けた時に、社会人領域や企業の人事を相手にしたノウハウが溜まっていないことが分かりました。そこで、人事領域の経験がある方に入っていただいて企画から一緒に作り上げていくのがスタートでした。

実際にプロ人材の方に入っていただいたことで、企画をブラッシュアップできたり、クイックに実行できたりと、知見をシェアしていただけたことが、企画段階では非常に重要だったと感じます。

・正社員では採用できないハイスキルな人材が見つかる

プロ人材は、例えば当社が探した例で言うと、人事領域のサービスを展開されていた企業に勤められていた方やコンサルタントの経験がある方など、豊富な経験がある方がたくさんいらっしゃいます。しかし、自社で採用しようとすると、お給料などの条件面で合わず正社員でお迎えするのは難しいケースもあります。その点でも、プロ人材の方であれば業務委託契約という形で、適切な報酬で、柔軟な形でお仕事をお願いできるということが可能になります。これは外部のプロ人材を活用する大きなメリットと言えるでしょう。

もう1点、特に大企業を経験された方とご一緒すると、どういう方々や部署に事前調整をした方が良いかなど、新規事業の企画を社内で通していくためのアドバイスをもらえたこともよかった点ですね。

・社内や承認者にも「プロ人材と1つのチームとして動く」と通しておく

新規事業の企画から承認段階では、ある程度私たちの事業に時間を割いていただける方とご一緒しています。年齢的には40〜50代が多いでしょうか。例えば、企画の壁打ちに付き合っていただいたり、そこから市場調査や資料への落とし込みも行っていただいています。まさに、事業に伴走していただいているイメージです。

企画の方向性を議論する承認者との会議の場にも出てもらうようにしています。会議での議論の内容を理解してもらえると、次の手を打つスピードも上がります。新規事業のような不確実性が高い部分に関しての議論に入ってもらえることは、非常に有効だと考えています。ただし、いきなり参加してもらうだけでは社内も理解が追いつかないと思うので、事前に「チームとして外部人材の方と一緒になって進めていく」ということを社内に通しておくことがポイントだと思います。

4. 新規事業の拡大期におけるプロ人材活用

ベネッセでの業務の傍ら、ご自身でも事業を立ち上げられている眞道様。まさに今ブーストさせていくフェーズにあるということで、ご自身の経験からお話をいただきました。

先ほどの話にもありましたが、なかなか正社員では採用できない方々が副業という関わり方だと仲間になっていただけるというのはすごく感じています。予算とか規模感的に社員をまだ採用できないという前提があるのですが、きちんとミッションやタスクを分解することで、プロフェッショナルな方に入っていただけています。正社員での稼働が難しくても、業務委託や副業、フリーランス人材であれば、ミッションに対してコミットいただくという連携ができます。「時間とスキルを生かしたい」「土日だけ・平日の空いた時間だけ副業してみたい」といった方も増えていますし、双方の利害が一致する形になっていますね。

5. プロ人材に活躍してもらうために

プロ人材を活用するにあたって、自社で活躍してもらえるのかを見極めるために、どんな観点を大切にしていらっしゃるのか、お二人にお話しいただきました。

・まずは自分たちの業務整理をして細分化する

自分たちの業務が細分化されていないと、どの部分を依頼するのかとか、どういうゴールを持ってやってもらうか、といったところが曖昧なまま進んでしまうと思います。それを防ぐために、自分たちが業務を整理・分解し、依頼したい業務とそれに対するミッションやゴールを設定することが必要だと思います。(眞道氏)

・プロ人材の方のフラストレーションをうまない

業務を依頼しても結局チェックするときにこちら側が止まってしまうと、プロ人材の方も手持ち無沙汰の状態になってしまうので、相手の力を最大限に引き出せるマネジメントの体制は重要だと感じています。(眞道氏)

・自分たちの熱量やビジョンを伝え目線合わせをする

特に新規事業の企画のところでご一緒することが多いので、先ほどお伝えしたような会議に出てもらうであるとか、社内の進め方はこのようにしていきたいであるとか、関わり方についても詳細にお話しした上で、自分たちのビジョンをしっかりお伝えし、共感いただけるかどうか、目線が合うかどうかを議論することが大事だと思います。(桃井氏)

4. Q&A

最後のQ&Aタイムでは、視聴者の方からいただいたご質問に回答いただきました。

Q. 眞道さんがお話しされたようなマーケター人材はどのように見つけられたのですか?

A. 今回お話ししたeBookの制作で関わってくださるマーケターさんはWarisさんにおつなぎいただきまして、最近はそういったエージェントサービスも多いのではないでしょうか(眞道氏)

結構多いなと感じるのが、知り合いのつながりというケース。当社も事業拡大にともなって中途の社員の方が多く入社されるようになり、その社員からの紹介というのも多い印象です。リファラル採用と似ていると思いますが、社内にそういったつながりによる人材採用を活用しようというマインドがあると、より進むなぁと感じます。(桃井氏)

Q. プロジェクト開始後のコミュニケーションの頻度や手段はどのようにしていますか?

A. 普段Slackを使っているので実際にSlackのチャンネルを作ってそこに入っていただいています。通常はチャットでコミュニケーションを取りながら、定例MTGを設けることもあります。タスクベースに落とし込んだ後であれば、そこまで定例MTGは行わず、チャットベースの確認、納品物の確認で済ませています。(眞道氏)

まとめ

今回のウェビナーでは、外部プロ人材を活用することの効果や、外部人材に成果を出していただくためのポイントなどを、お二人の具体的な経験からお伺いすることができました。専門性の高いプロ人材をうまく活用していくことが、事業成長の鍵になりそうです。

Warisでは、今後も業務委託人材の活用に関する様々なウェビナーを開催していく予定です。お気軽にご参加ください。


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