11/12(火)「少人数人事組織における「優秀人材」確保の最適解~限られたリソースで最大限の成果を生み出す即戦力採用戦略~」ウェビナーレポート

2024年11月12日に開催したウェビナー『少人数人事組織における「優秀人材」確保の最適解~限られたリソースで最大限の成果を生み出す即戦力採用戦略~』の概要レポートをお届けします。

本セミナーでは、人材・採用戦略の各領域を支援する4社が集結し、自社に適した優秀人材・即戦力人材の採用確保から定着までのノウハウを解説しました。本レポートではイベントで話題に上がった一部を抜粋してご紹介します。

▼目次
1. 最適な即戦力人材の見つけ方とコミュニケーションのコツ(株式会社Waris)
フリーランス人材の多様性と職種
フリーランス人材を活用するメリット
最適な人材を見つけるために
フリーランス人材活用における注意点と改善策

2. 即戦力、優秀人材の採用後、活躍してもらうために不可欠な要素(株式会社Another works)
即戦力人材のマネジメントの要点
教育のテンプレ化
交流の多角化
期待と評価の明確化

3. 即戦力、優秀人材の採用効率化(LUF株式会社)
採用戦略の考え方
事業成長を目的とした人材の定義を

4. 活躍から逆算した即戦力・優秀人材の定義づけと見定め方(株式会社ラフール)
即戦力人材の価値観と適応性の重要性
採用プロセスの改善
採用後の早期離職防止策

5. Q&A

1. 最適な即戦力人材の見つけ方とコミュニケーションのコツ(株式会社Waris)

Warisは、高度スキルを持つ主に女性のビジネス系職種のフリーランス人材を企業にご紹介しています。まずはWarisより、「最適な即戦力人材の見つけ方とコミュニケーションのコツ」について解説しました。

フリーランス人材の多様性と職種

フリーランス人材には多様な職種が存在し、クリエイティブ系だけでなく近年はビジネス系でも活躍する人材が増えています。特に、マーケティングや広報、人事、経理・財務などの領域においてフリーランスとして働く人材が多くなりました。Warisの人材紹介では、新規事業開発やデジタルマーケティング、広報やバックオフィスなど、多岐にわたる高度なスキルを持つフリーランス人材の紹介が可能です。各職種、業務の上流から実行まで一貫して任せられる30代から40代の人材が中心となっています。

フリーランス人材を活用するメリット

フリーランス人材を活用することで、企業は次のようなメリットを享受でき、繁忙期、短期的なプロジェクトにも対応しやすくなります。

  • コストを抑えて迅速に確保
    正社員採用よりも低コストかつ短期間で必要なスキルを獲得できます。選考期間が短く、1週間から10日で稼働可能なケースもあります。
  • 専門知識の補填
    自社が保有していない特定分野のノウハウを蓄積することができます。
  • 柔軟性の高い採用
    必要なタイミング、必要なプロジェクトのみ関わってもらうなど、正社員とは異なり柔軟な採用ができます。
  • コア業務への集中
    社員が戦略的業務に専念できる環境を構築することができます。

最適な人材を見つけるために

フリーランス人材を活用するにあたっては、「検討」から「稼働」フェーズまでいくつかのステップがあります。

検討から選定の段階において、以下の3つの観点で相互理解を深めながらコミュニケーションを図ることで、ミスマッチを防ぎ、自社に最適な人材採用を可能にします。

  • ゴールと業務のスコープを明確化
    企業が達成したい目標と必要なスキルを明確に定義し、業務の範囲を具体化することから始めまます。
  • 適切な条件設定と候補者選定
    予算を現実的に設定し、報酬や条件の柔軟性を確保しておきましょう。面談を通じて候補者のスキルやカルチャーフィットを確認していきます。
  • コミュニケーションの徹底
    ミッションや期待値を共有し、具体的な成果定義を合意します。稼働の前から綿密な打ち合わせを行い、認識のズレを防ぎましょう。

フリーランス人材活用における注意点と改善策

フリーランス人材を活用する際の注意点を失敗例と改善ポイントからご紹介します。

    • よくある失敗例
      • 応募が少ない場合:条件設定が厳しすぎる、または報酬が適正でない可能性がある
      • 業務内容の曖昧さ:スコープや期待値が不明確でミスマッチを引き起こす
      • コミュニケーション不足:事前の打ち合わせ不足がトラブルの原因になる
    • 改善ポイント
      • 募集条件を柔軟にし、報酬に競争力を持たせる
      • 面談や打ち合わせを通じて、双方の理解を深める
      • スタート前に業務スコープや目標を具体化し、双方で認識を合わせる

以下でご紹介する「SMART」な合意形成に則り、協議いただくことをお勧めします。

2. 即戦力・優秀人材の採用後、活躍してもらうために不可欠な要素(株式会社Another works)

次に、複業人材やフリーランス人材を直接採用できるプラットフォームを運営するAnother works様より、「即戦力・優秀人材の採用後、活躍してもらうために不可欠な要素」について解説しました。

即戦力人材のマネジメントの要点

複業の即戦力人材の力を最大限に活かすには、教育のテンプレ化、社内交流の多角化、期待と評価の明確化の3つのポイントで考えるとよいでしょう。

教育のテンプレ化

例えば、営業部署の例でご説明すると、業務フローの可視化が成果に寄与していることが多いです。特に、必要なツールの設定が重要で、業務に応じた適切なツールを整えることで効率的に業務を進めることができます。また、サービスの強みや弱み、業界構造についての情報共有も大切で、即戦力人材と定期的にミーティングを設けると良いでしょう。競合情報や業界知識を共有することで、採用した人材がより効果的に業務を遂行できるようになります。

交流の多角化

即戦力人材とのオープンなコミュニケーションが、組織の一体感を生む鍵となります。Slackや定例ミーティングを活用して業務の透明性を確保するとともに、成果に対する感謝や承認を日常的に行い、信頼関係を強化することが大切です。コミュニケーションの上では、業務内容や期待事項を明確に伝えるリアルな対話が効果的です。

期待と評価の明確化

成果を最大化するには、明確な評価基準と期待値の設定が欠かせません。業務の進捗に対する期待を明確にし、成果を認識させることで即戦力人材のモチベーションを維持します。定期的なフィードバックを通して改善点も迅速に伝えるとよいでしょう。新しいチャレンジを通してスキル向上を支援することも大切です。

3. 即戦力・優秀人材の採用効率化(LUF株式会社)

3つ目のパートでは、HRナレッジのオンライン学習ツールや人事プロフェッショナルをマッチングするサービスを提供するLUF様より、「即戦力・優秀人材の採用効率化」について解説しました。

採用戦略の考え方

自社に合った優秀人材を効率的に採用するためには、まずその定義を明確にし、企業の未来ビジョンに基づいた人材要件を逆算します。採用戦略には認知のためのマーケティングやブランディングも含まれ、関連付けて考えることで、応募者数を増加させることが期待できます。

また、企業の強みを正確に理解し、それを外部に効果的に発信することが必要です。競合他社との差別化を図ることも合わせて考えましょう。採用後の定着や成長を見据えた制度設計やオンボーディングプロセスも重要であり、一貫したストーリーが求められます

事業成長を目的とした人材の定義を

企業は未来の事業展開に基づいて必要なスキルや能力を持つ人材を採用するべきであり、現状の埋め合わせのためだけの採用では持続的な成長は望めません。

非連続的な市場の変化に対応するために、未来に必要な人材の定義を明確にしないままの採用は不幸な結果を招きます。採用は事業成長が目的であり、どのような人材が必要で、どのような人と働くことが望ましいかを明確にすることが重要です。
人材の定義が求職者にとっても最もハッピーなペルソナを形成することが必要であり、それが良い出会いへと繋がることが望ましいです。

4. 活躍から逆算した即戦力・優秀人材の定義づけと見定め方(株式会社ラフール)

最後に、採用における適性検査や組織サーベイを提供するラフール様より、「活躍から逆算した即戦力・優秀人材の定義づけと見定め方」について解説しました。

即戦力人材の価値観と適応性の重要性

優秀な人材とは、共感度が高く、組織風土にマッチし、職務スキルが合っている人材を指すと考えています。職務スキルが高くても、企業理念に共感がなければ社内での活躍が難しく、早期退職のリスクが高まります。

個人の適応性は、個人要因と会社の環境要因の掛け合わせで測られますが、通常の適性検査では個人要因のみをデータとして扱っている企業が多いですが、価値観のすり合わせと環境要因も含めた適応性のデータは、適切な人材を見極めるために重要となります。

採用プロセスの改善

採用時にはスキル軸と人格軸の二つの観点があり、スキル軸は比較的判定しやすいが、人格軸は経験や感覚に頼りがちです。面接においては、適性検査の結果と面接官の主観的な判断が混在しており、意見の食い違いや判断の妥当性に問題が生じます。

そこで、データを活用した相性の見方として、適性検査結果と組織データを突き合わせる方法があります。面接官への情報共有を徹底し、候補者の特性と配属先の環境要素をチェックして次の面接官に渡すことで、定量と定性の両面から判断することができます。
面接官が変わる際には、面接のゴールや選考ポイントを明確に伝えることで、選考のブレを防ぎます。

採用後の早期離職防止策

採用プロセスの見直しにより、早期離職の防止や入社前後の期待値ギャップを防ぐ事例があります。

ハイパフォーマーの適性検査結果と候補者の類似性を比較する方法もありますが、環境との適応性を考慮する必要があります。経営者と人事が理想の組織像を議論し、新たに採用する人材がその理想に貢献できるかを判断することが推奨されます。ハイパフォーマーと候補者の類似度を確認することも有効だですが、同じ環境下での比較が重要です。採用選考の判断にブレがないようにするためには、面接官間の情報共有と明確な選考基準の設定が大切です。

5. Q&A

最後のQ&Aタイムでは、視聴者の方からいただいたご質問に回答しました。

Q. Warisによる人材のご紹介では、どのような観点でフィット感を見極めておられますか?採用前に見えづらい部分ですよね・・また、自社のカルチャーがうまく言語化できない場合にもコンサルなど可能でしょうか。

A.フリーランス人材をご紹介するにあたっては、必ずカウンセラーとの面談を経て、スクリーニングされた人材をご紹介をしています。現在、スクリーニングの通過率は17%ほどで、非常に厳しいスクリーニングを実施しています。見極めの観点としては、保有スキルに加えてフリーランスプロ人材として、自走性や自律性の部分、スキルの再現性をしっかり見ております。また、これまでの2,600社以上の企業様のご支援から、各企業が持つカルチャー上の特徴などを定義し、そのカルチャーに合う人材はこんな人ですよ、というご提案をしています。(Waris)

Q. 社員ではなく業務委託を選択する理由の一つに、コミュニケーションコストやマネジメントコストを下げたいというニーズがある中で、本日のお話の中で特にここは抑えるべきというポイントはありますか。

A. 一番は教育のテンプレ化です。業務委託メンバーの早期の離脱防止というところにもつながりますし、参画いただいた方の早いタイミングでのパフォーマンス発揮につながると思っております。すでに正社員用やインターン生用などでテンプレ化できている企業様は、それをそのまま転用いただいても良いと思います。(Another works)

Q. 採用戦略の設計において、過去の採用データが揃っておらず、実際に採用手法やコストを考えることができていません。どのようなことから進めるべきでしょうか?

A. まずはわかるデータから揃えていくというのが重要だと思っております。候補者とのやり取りや、こういったメールの連絡をいただいているなど、課題感ベースで揃えることができたら、その課題感を元に対策を打っていくことができます。採用戦略において、過去データが揃っていないというのはよくあることですので、まずは今の現状を理解しつつ、未来の組織を作っていくために、どういうプロセス設計が必要で、母集団形成の方法が必要かといったところを考えていけたらと思います。(LUF)

Q. 弊社の適性検査はまさにパーソナル情報を取るだけの内容です。ハイパフォーマーと候補者との適性検査結果との比較はできそうなので、ぜひやりたいと感じました。そこで、先ほど注意点に同じ環境下であることを配慮しなきゃいけないとのことでしたが、同じ部門や部署であったり、同じ支社の中で限定させないと危険という意味であっていますでしょうか。

A.ご質問の認識であっています。具体的に言うと、例えば営業職を採用する際には、同じく営業部での優秀な方をハイパフォーマーとしていただき、その方に適性検査を受けていただいて、その結果と候補者の方の適性検査結果を見比べるなど、同じ条件下・環境下で実施をいただきたいです。また、ハイパフォーマーと性格が似ているかだけではなく、今の組織と選考を進めている職種配属先に必要な要素が似ているかどうかが重要になってきます。(ラフール)

まとめ

今回のウェビナーでは、即戦力・優秀人材を活用するための人材選定や定着のノウハウ、採用戦略の考え方について解説しました。

Warisでは、今後も業務委託人材の活用に関する様々なウェビナーを開催していく予定です。お気軽にご参加ください。


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