駐妻経営者・米倉のベトナム ホーチミン便り 2019夏
2019年2月のベトナム引っ越し宣言から約半年、駐妻でもあり経営者でもある米倉がベトナム・ホーチミンでどんな日々を送っているのか?どのようなスタイルで仕事をしているのか?夏休みの一時帰国にあわせてインタビューを行いました。
Q:引っ越しから半年、どのような生活を送っていますか?
引っ越し後は約1か月半、会社を休んで、2人の子どもの学校と幼稚園探しを中心に、働くことを前提とした生活環境の整備をしていました。
特に下の子の幼稚園とシッターさん探しが難航。ベトナム人向け幼稚園は、17時までやっているものの、私がまだベトナム語がちんぷんかんぷんなので候補にいれられず、外国人向けの幼稚園は14時までだったり、スクールバスがなかったり(毎日の車送迎無理!)と苦戦続き。
なんとか幼稚園は確保したものの、園から帰ってくる息子の面倒をみてくれるシッターさん探しにも苦労しました。ホーチミンではシッター事業者が少なく、私もまだ現地の友達が少なかったので、知り合いの日本人からの口コミや、ベトナム外国人駐在向けFBグループで投稿する、家の近所でシッターっぽい人に声かけて友達紹介してくれと頼む・・・などなど試行錯誤の末、ようやくシッターさんを探すことができました。
「外国人として働きながら、子育てをする」というのはまだまだレアな状況で、自分は完全な情報弱者なんだなー、と実感した最初の1か月半でした。
その後、半年たって、街の様子も分かってきて、人間関係も少しずつできてきたことで、ホーチミンでの生活にだいぶ慣れてきたところです。
今、住んでいるところは、ホーチミンの中心街から車で10分くらいのところにある、マンションがたくさん建っている再開発エリア。外国人もベトナム人も多く住んでいて、近所にショッピングモールやコンビニ、ドラッグストアなどもあって、生活の利便性は日本と大きく変らないですね。
食べ物は日本人の口にあうものが多くておいしいです!見たことないフルーツをスーパーで買うのもの楽しみのひとつ。いろんな想定外やびっくりもあって、毎日笑っています。いつ行ってもバーガーをきらしているハンバーガー屋さんや、コーヒーを売ってない!コーヒー屋さん、などなど(笑)
そして、ベトナムの人は、子どもにとてもやさしい!エレベーターで子連れであうと、老若男女、みんな絶対、かまってくれます。ヽ(^o^)丿
Q:どのようなワークスタイルで働いていますか?
基本的にはベトナム時間の8時~18時に働いています。時差が2時間なので日本時間だと10時~20時ですね。日本にいる時からWarisはリモートワーク主体だったし、時差もほとんどないので、あまり遠くにいる感覚はないです。
朝、家族を送り出した後、自宅でそのまま朝一の会議を数件こなしてから、バイクだらけの超ラッシュアワーを避けて、車(ライドシェアアプリを使うことが多いです)で、外出するのが日課です。一日中、自宅にいると息がつまってしまうので、コワーキングスペースやノマドワーカーが集まるようなカフェで仕事をすることが多いですね。
ホーチミンは、おしゃれなカフェはもちろん、コワーキングスペースも数多くあって、行き先はその日の気分によって変えています。バリバリ働きたい気分の時は、若いベンチャー系の人で活気あふれる「DREAMPLEX」、じっくり集中したい時は女性限定のコワーキングで閑静なエリアにある「CO-SPACE」、リラックスしたい気分の時は緑あふれる「toong」など。
海外からの進出企業も多いこともあるせいか、ホーチミンにはコワーキングスペースが想像以上にたくさんあります。キレイで快適なところも多いし、バリエーションも豊富な上に、安い(1日いても1,000円以内)のも魅力ですね。コワーキングならではの、現地の人との出会いなどもあるので、楽しいです!
日本には半年の間に、全社合宿への参加等のため出張ベースで2度ほど帰ってきています。今後も3~4ヶ月に1回くらいは来ることになりそうです。
Q:お客様やメンバーからの反応はどうですか?
お客様からは「リモートワークもそこまでいったか!」という驚きの反応が多いです。ホーチミンや東南アジアに知り合いや顧客がいると、ご紹介いただける方も多く、人脈拡大にとても役立っており、本当に感謝しています。
お客様とのコミュニケーションについては、メールやチャットなどでのやりとりは日本にいる時と全く同じですし、電話についても、昔は国際電話というとかなり高いイメージがありましたが、いまは、国際電話もIP電話もとても安くていいものがあるし、全体を通して、日本にいるときとあまり変わらない形で仕事ができていると思います。
ただ、初対面のお客様とのアポイントはどうしてもとりづらくなるところは不便ですね。
Warisのメンバーからは、いまのところネガティブな反応は少ないかな?もちろん、仕事によっては(オフィス環境整備等)、どうしても現地にいないと分からないことが多いなどのマイナス面はありますが、メンバーとは、ランチや1on1などのコミュニケーションをオンラインにして継続するなど、コミュニケーション量は変らないように気を付けています。とはいえ、オンラインとFace to Faceの違いはあることも実感しているので、帰国した際はできるだけ、メンバーと直接コミュニケーションをとるようにしています。
また、私がホーチミンに来たことで、福岡の河、東京の田中と3人の共同代表が、それぞれ離れた場所で経営をするという「リモート共同経営」になった訳ですが、この点については、そもそも2年前から河が福岡にいることもあり、3人のコミュニケーションは特に変ってないんですよね。毎週の経営会議はこれまで同様にオンラインでやっていますし、それ以外にも3人で定期的に「よもやまの会」をやっています。
日本にいる時から、個人としても会社としても「リモートワーク中心で働く」ということを当たり前にやってきたことで、今回のような「突然ベトナムに引っ越す」という状況になっても、日本にいる時とほぼ同じような働き方ができることに、繋がってるんだな、と実感しています。
Q:「駐妻経営者」ならではの苦労や課題はありますか?
まず、「駐妻」として感じることは、情報の分散度が激しいということ。生活に関わる情報をほぼ口コミ(食材調達、シッター手配、こどもの習い事、生活インフラ…)に頼っているため、駐妻仲間を含めて、現地での人付き合いができないと情報すら入ってこないです。
駐妻仲間は、期間限定のホーチミンライフを楽しんでいる人も多いですけど、中にはキャリアを中断してきている人もおり、渡航前から感じていた「駐妻キャリア断絶問題」をリアルに感じています。
ホーチミンにきてから、パートナーの転勤に伴うキャリアの中断について悩んでいるという相談を受けることが何度かありました。キャリア断絶が怖くて、すでに1年以上家族がバラバラという方や、駐妻をやりつつも、帰国後の自分のキャリアを考えてモヤモヤしてしまい、今できることは何かを必死に模索している人も。
ずっと「駐妻キャリア断絶問題」は、気になっていたテーマだったので、解決する方法がないのか、様々な人にヒアリングなどをしながら、情報収集をしています。その中で感じるのは、「駐妻は働かない前提」の企業制度や、働きたいという人に対して「前例がないので対応が・・」という企業の対応が多いということ。こういう現状には、憤りを感じるし、今後何とかしていきたいと思っています。
「経営者」としては、社内の様子や日本のマーケット感覚が鈍くなる、ということに懸念を感じています。「肌感覚」とでもいうのかな、強く意識していないと、社内の雰囲気や市場の変化にスピーディーに気づけなくなることが課題ですね。意識して情報を入手しにいかないと、情報が限られる分、判断材料が少なくなってしまい、結果として判断を間違うのではないかという怖さもあります。
ここは自分でも意識して情報収集をしつつ、メンバーのみんなにも助けてもらう領域かなと思っています。
Q:最後に、今後の展望を教えてください
半年間で日常生活も含めて働くことの基盤ができたので、今後はベトナムにいることのメリットを生かした取り組みをしていくつもりです!
先日、ホーチミンからシンガポールに初めて出張にいった時に感じたのは、東南アジア各国は市場も「地つづき」であるということ。お互いアクセスがいいので、行き来するのが当たり前。(半面、日本は孤立しているなーとも思います)
イベントなどにいくと、東南アジア各国から登壇者がきているし、シンガポールでスタートしたサービスを、隣国に広げるケースも数多くあります。こういう土地柄を活かして、アジア各国の文化の違いや市場の違いはあれど、日本以外のアジアで、Warisのサービス(新サービスも含めて)展開することを考えていきたいです!
また、「駐妻のキャリア断絶問題」に対しては、個人だけではなく、Warisとして何らかの展開をしたいと思っています。まずはホーチミンでの展開を前提に、提携先などを模索しながら具体的に走り始めたところです。この展開についても、ホーチミンやベトナムだけに閉じるのではなく、東南アジアをはじめとして、他国にも展開していきたいです!
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