リカレント教育と女性の復職~メディア関係者の皆さんとの勉強会開催レポート~
Waris共同代表の田中です!8月7日、Waris主催でメディア関係者の方との勉強会を開催しました。この日のテーマは「リカレント教育と女性の復職」。
今年度、私たちWarisが経産省さんの女性の復職に関する実証事業の一部に参画させていただくことに関連して行いました。
当日は、事業を所管する経産省経済社会政策室の関 日路美さんから事業概要について、また委託事業をご一緒するPwCコンサルティングの林 真依さんから女性復職支援事業の概要について、そしてWarisの小崎亜依子から本事業におけるWarisの取り組みについてお話しさせていただきました。
同時にゲスト講師としてリクルートワークス研究所主任研究員の大嶋寧子さんをお招きし、「女性の復職の現状と課題」についてお話しいただいた後に、ご参加の記者の皆さんとご一緒にざっくばらんに質疑・フリーディスカッションを行いました。
復職自体は問題じゃない!でも一歩が踏み出せない女性たち
女性の復職の問題は古くて、それでいてなかなか解決しえない日本社会が抱える課題の一つです。
有効求人倍率が1.6倍(2018年5月分)となるなど売り手市場が続く中、職種や業種、雇用形態にこだわらなければ一度離職された方であっても仕事を獲得すること自体はそれほど難しいことではありません。
事実、大嶋さんからは直近の傾向として、配偶者のいる女性の就労が増えていること、さらに配偶者の扶養の範囲を超えて年収150万円以上で働く女性たちが増えていること、過去に退職経験のある子育て期の有配偶女性で、年収200万円以上の非正規雇用として働く女性については翌年14%が正規雇用に移行が確認されるといったデータの紹介がありました。
一方で、直近で就業を希望する既婚女性は約300万人(総務省「就業構造基本調査」2017年より作成の大嶋さん資料より)おり、依然として多くが「働きたくてもその一歩を踏み出せていない」という現実もあります。
複雑な背景。一気通貫での女性のサポートが重要
勉強会では、女性の復職の問題の背景に複雑に絡み合ったさまざまな要因があることを改めて痛感しました。子どもの預け先の確保、配偶者控除の適用条件、働くことに対するパートナーや家族の理解、現実的な家事・育児の分担、就労後のワークライフバランス・・・こうしたもろもろの不安を抱えて動き出せていない女性たち。
「実際、働き始めてみると心配ないことが多いんです。でも、動けないとそれはわからないし、わからないと動けない」(大嶋さん)
こうした現実を受けて、今回の実証事業で私たちWarisは不安を抱える女性への丁寧なキャリアカウンセリング、キャリアアップを見据えた学び直し講座、そしてインターンを通してまずは実際に働くことにトライする機会を提供する、など一気通貫で女性の復職のサポートを行います。
※詳細はリリースをぜひご覧ください。
(リリース:経済産業省「『未来の教室』実証事業」における 「女性復職支援事業」に参画について)
「ビジネスとしてどう成立させるか?」の検証の機会に
もう一つ、このテーマに関して重要なのは、「いかにしてビジネスとして成立させるか」という点です。勉強会でも話題に上がりました。
これまでも、国や自治体が助成する形で女性たちの復職を応援する取り組みは幾度となく行われてきました。しかし、助成時期が終わると、その取り組み自体も終息してしまいがちです。継続するには事業として成り立つか、ビジネスとして成立しうるかという観点はとても重要だと考えます。
「復職したい女性」と一口に言っても、年齢、就業経験、そのほか抱える事情はさまざまです。すべての女性の復職を公費の助成で支援し続けるのは現実的ではありません。どういうパターンであればビジネスとして実現できるのか? その観点からも今回の実証事業を通じて検証させていただきたいと考えています。
Warisは2016年から「Warisワークアゲイン」という取り組みの中で、離職女性を企業にインターンとして紹介し、採用に結びつけてきました。過去のインターン参加者については実に約9割が採用に至っており、それだけ高い可能性を秘めた人材が離職女性の中に眠っていることのゆるぎない根拠にほかなりません。
今回の実証事業を通して、少しでも多くの復職希望女性を支援できるようビジネスモデルをしっかり検証していきます。
復職を希望する女性たちへのアプローチや、実際のインターン先の確保においては、様々な企業・団体さんと連携させていただきたいと思っています。ご関心ある企業・団体の方がおられましたら、ぜひご連絡ください。
▼企業様向け Warisワークアゲイン
https://waris.co.jp/workagain_tob