個人事業主が収入証明書を自分で作るには?フリーランスための作成ガイド
フリーランス(個人事業主)として活動していると、賃貸契約の更新や引越し、住宅ローン、カードローンの申し込みなど、キャリアやライフイベントの節目で「収入証明書」の提出を求められる場面があります。
会社員と違い、源泉徴収票がないため
「どうやって用意すればいいの?」
「自分で作るの?」
と不安になる方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、「収入証明書」という名前の単一の書類を自分で作成するわけではありません。 フリーランスの場合、いくつかの公的な書類が「収入証明書」として認められます。
この記事では、フリーランスが収入証明として使用する主要な書類の種類、それぞれの入手方法、そして保育園申請時に必要な「就労証明書」の書き方まで、具体的なポイントをわかりやすく解説します。
1. 不動産契約やローンを組むときに必要な収入証明書って?
個人事業主として働き始めると、仕事以外の場面でも、収入や仕事の状況を書類で証明する機会が多くなります。
よくお問い合わせをいただくものに、マンションを借りるときや、ローン契約をする際に求められる「収入証明書(所得証明書)」があります。
と言っても、実は「収入証明書」という名前の書類はありません。
一般的に以下の公的書類が収入証明として利用されます。提出先によって必要な書類が異なるため、必ず事前に確認しましょう。
■ 住民税課税(所得)証明書・住民税納税証明書
発行場所: その年の1月1日時点でお住まいの市区町村役場
証明内容: 前年(または前々年など指定された年)の所得額、住民税の課税額、納税状況など。最も一般的に利用され、特に所得額が記載された「課税(所得)証明書」を求められることが多いです。
■ 所得税の納税証明書
発行場所: 所轄の税務署
証明内容: 申告した所得税額や納付状況。「納税証明書(その1)」は納税額、「納税証明書(その2)」は所得金額も証明されます。ローン審査などで求められることがあります。オンライン(e-Tax)でも請求可能です。
■ 確定申告書の控え
用意するもの: 税務署の受付印がある確定申告書(第一表、第二表など)の控え一式。e-Taxで申告した場合は、申告データの控えと「受信通知(メール詳細)」。
ポイント: 直近の収入状況を示すものとして有効ですが、公的な発行印がないため、上記1や2の書類と合わせて提出を求められることもあります。
【準備の際の注意点】
発行にかかる時間: 窓口では即日発行されることが多いですが、郵送申請やオンライン申請の場合は数日~1週間程度かかることも。余裕をもって準備しましょう。
有効期限: 提出先から「発行後3ヶ月以内のもの」など有効期限を指定される場合があります。
2. 就労証明書って何?自分で書いていいの?
フリーランスの人が子どもを保育園に預けて働く場合には、「就労証明書」の提出を求められます。
開業届を提出していれば、フリーランスは「個人事業主」の扱いになるので、会社員の場合は会社に書いてもらうこの書類も、自分自身で記入することになります。
何を証明する?:
実際に事業を行っており、保育が必要な状況であることを客観的に示すための書類です。開業届のコピーや、事業内容、就労時間・日数、収入見込みなどを記載します。
自治体によって指定の様式や添付書類(例:業務委託契約書の写し、直近の収支がわかる帳簿のコピーなど)が異なります。必ず提出先の自治体や施設の最新情報を確認し、指示に従って正確に記入しましょう。
信頼されるフリーランスとして活躍し続けるには、必要な事務手続きを迅速かつ効率的にこなしていくことも大切です。企業との契約や各種申請時に慌てないよう、日ごろから必要な書類の種類や入手方法を把握し、整理しておくことを心がけましょう。
3. 保育園申請の必須書類「就労証明書」は自分で作成
フリーランスが子育てと仕事を両立させる上で 、ほぼ必須となるのが保育園(保育所)の入園・継続申請です。その際に「保育が必要な状況」を証明するために提出するのが「就労証明書」です。
会社員の場合は勤務先が記入しますが、開業届を提出しているフリーランス(個人事業主)は、自分自身で「事業主」として内容を記入・作成します。
■ 何を証明する?
「就労証明書」は、自治体に対して「保護者が実際に事業を行っており、家庭での保育が困難な状況である」ことを客観的に示すための公的書類です。 事業内容、就労時間(月平均/日平均)、就労日数、収入見込み(前年の所得など)を正確に記載します。
■ 作成・準備のポイント
様式の確認: 必ず提出先の自治体や施設の最新の指定様式を入手してください。
添付書類: 自治体によって、就労状況を裏付ける書類の添付を求められます。(例:開業届のコピー、業務委託契約書の写し、直近の収支がわかる帳簿のコピー、事業HPのURLなど)
正確な記入: 虚偽の記載はできません。見込みと実績が大きく異なる場合、後の調査で不利になる可能性もあるため、契約内容や帳簿に基づき、実態を正確に記入しましょう。
フリーランスとして信頼を保ち、キャリアとライフイベントを両立させるためには、こうした事務手続きを迅速かつ正確にこなすことも大切です。 日ごろから必要な書類を把握し、整理しておくことを心がけましょう。
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