保育料は経費になる?フリーランスのための確定申告

確定申告のシーズンが近づいてきました。

会社員なら会社が代行してくれる税金の手続きも、フリーランスの場合は自分の責任で進めなければなりません。

子どもの保育料は経費になるのか?仕事用のスーツや美容院代はどうなのか?

こういった日常的な支出の扱いについて、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

こういった身近な疑問について、今回は税理士の日下部寿子さんに経費の考え方について教えていただきました。

女性比率90%以上!フリーランスのお仕事紹介!


Q. 何が経費として認められる?子どもの保育料は経費になる?

「何が仕事の経費として認められるのか?」というご質問の答えは明確です。

ご自身が胸を張って「これは仕事のために使いました」と言えるものは経費です。

たとえば、取引先とコーヒーショップで打ち合わせをした際のコーヒー代は、誰に聞かれても堂々と「経費です」と答えられるはず。

ですが、仕事を終えた後、一人で喫茶店に入り、休憩しながら飲んだコーヒーのお金を経費として計上するのは、後ろめたい気持ちになるはずです。

とは言え、実際に帳簿をつけ始めると、経費として計上していいのかどうか、悩むケースが出てくるでしょう。

たとえば、仕事をするために子どもを保育園やベビーシッターに預けた場合でも、現在の税法の枠組みの中では、その費用は育児を外注した「家事費」と判断されてしまい、仕事の経費にはなりません。

Q. 仕事用のスーツや美容院代は経費になる?

仕事用に購入した洋服はどうでしょう。

この場合「仕事のときにしか着られないものかどうか」がポイントになります。

職場で決められた制服や作業着なら経費になりますが、スーツなどは子どもの授業参観や、友達と会うときにも着ることができると考えられるので、一般的には経費にはなりません。

美容院代も同様です。モデルのお仕事をしている方なら経費にできると考えられますが、一般的な総合職では難しいでしょう。

ただし、仕事のPRのためパンフレットを作成する場合などのヘアメイク代は、経費として記帳して問題ありません。

Q. 自宅で仕事をしているのですが、家賃や光熱費は経費になる?

はい。経費になります。

ただし、「家事按分」と言って、家事のために使った分と仕事の分を分けて考える必要があります。

たとえば、家の面積の4分の1をオフィススペースとして使っているなら、家賃の4分の1を経費として計上することができます。

電気料金などの光熱費も同様です。パソコンやスマートフォンなどの通信費も、毎月の使用実績のうち仕事用に使っている分を経費にすることができます。

いずれも、税務署から説明を求められた際に合理的な根拠を示すことができるよう、基準をしっかりと決めておきましょう。

Q. クレジットカードで支払った経費は、どのタイミングで記帳すればいい?

支払いをした日付と引き落とし日の両方で記帳します。

確定申告では「発生主義」という考え方が基本となり、実際の支払いや引き落としの日付に関わらず、取引が発生した日に記帳します。

たとえば、2024年12月にクレジットカードで支払った経費が、2025年1月に引き落とされても、帳簿の上では12月の支出になります。

収入に関しても同様です。

2024年12月に稼働した仕事の報酬が、2025年1月に振り込まれるとしても、帳簿上は12月の収入となり、2024年度分として申告することになります。

確定申告の季節は、フリーランスにとって大切な時期。経費の計上に迷った時は、「本当にこれは仕事のために必要だったか」という基準に立ち返って判断することが重要です。

初めは分からないことも多いかもしれませんが、きちんとした記帳習慣を身につけることで、確定申告の作業もスムーズになっていくでしょう。

女性比率90%以上!フリーランスのお仕事紹介!

 

【 あわせて読みたい 】

・自営業の実情 産休育休もとれない理不尽な保育園探し!
・フリーランスが老後に備えるには?必要な貯蓄額と資金対策について

 

■ プロフィール

税理士 日下部寿子

税理士法人・税理士事務所での8年間の勤務経験に加え、国内生保系資産運用会社の社員として、12年間にわたり、有価証券報告書作成、税務調査及び監査法人監査対応、総務・人事業務などを担当した経験を持つ。2015年、北区赤羽に日下部寿子税理士事務所を開業。会社員経験を活かし、法人・個人事業主の「税務・会計のホームドクター」として、確定申告や相続税に関することから経理に関することまで、幅広く相談を受け付けている。
http://www.kusakabetax.com/


▼株式会社Warisでは一緒に働く仲間を募集しています
私たちの働き方
募集要項

▼フリーランスのお仕事紹介:Warisプロフェッショナル
パートナー登録はコチラ
フリーランスのお仕事検索はコチラ

▼Warisプロフェッショナルに仕事を頼みたい企業のお客様
人材検索はコチラ