Waris創業10年を振り返って。人・組織の課題と打ち手を公開!【ウェビナ―レポート】

2023年6月1日に開催したWarisと株式会社ゼロワンブースター様との共催ウェビナー『スタートアップの成長に伴う「人・組織まわり」の課題と打ち手』の開催レポートをお届けします。

今回のウェビナーでは、株式会社ゼロワンブースター ブランスクム 文葉さんを聞き手にお迎えし、弊社共同代表田中が、Waris創業から10年の組織づくりの課題や打ち手・施策についてお話ししました。
シード・アーリー期のスタートアップ経営者の方を中心に、創業期から50名規模に至る組織づくりにお悩みを持つ皆様、ぜひご参考にしてみてください!

ウェビナ―では非常に活発なご質問も飛び交いながら、具体的な人材戦略への考え方や採用手法までお話が進みました。

ご好評いただいた本ウェビナー内容の一部を抜粋し、下記の形にまとめてお伝えします。

本ウェビナー内容の一部を抜粋し、下記の形にまとめてお伝えします。

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▼目次
1.Waris創業10年あゆみ
▶創業から現在までに起きた課題を振り返る
▶業務委託人材の活用
2.Waris組織の特徴(質疑応答)
▶フルリモートでの組織づくりの工夫は?
▶フルリモートでの事業運営のスタンスは?
まとめ
共催企業:株式会社ゼロワンブースター様のご紹介
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1. Waris創業10年あゆみ

▶創業から現在までに起きた課題を振り返る
まず、代表田中よりWarisが創業してからの10年で起きた課題と解決法を、フェーズごとに振り返りました。

創業1~2年目には、『創業者が兼務しすぎて業務が回らない問題』。

当時、創業者メンバー3名(実質稼働できるのは2名)で、企業への営業活動、ご登録者のカウンセリング、ご登録者を集めるためのマーケティング・PR活動(SNS運用やHP運用など)、バックオフィスを担っていたため、すぐに回らなくなってしまう問題が起こりました。
その解決として、切り出しがしやすい業務をアルバイトや業務委託の方にお願いしていきました。
業務の切り出し方のポイントを、田中はこう語ります。

「他の人に任せられるかを意識するというのがとても大事。創業メンバーのリソースをどこに張るのが最も効果が最大化できるかという観点で捉えていただけるといい。
結果、弊社ではカウンセリング業務やカスタマーサポート業務、経理業務に、業務委託の方に入っていただきました。」

「日々の営業活動の中で、クライアントの皆様に対して『この業務は業務委託の方に任せたらどうですか?』 とご提案していたので、その提案をまさに自分たち自身の組織作りに活かしました。」

創業2〜3年目には、『創業メンバーが全て売る体制からの脱却問題』。

創業メンバー以外の人材をどのタイミングで獲得するかを悩まれる企業は多いのではないでしょうか。田中は、3人の創業メンバーのみで売上をつくるだけではこれ以上事業が伸びないと限界を感じたといいます。
そこで、2年目の後半で初めて正社員で営業担当の採用に踏み切りました。その背景を次のように語ります。

「創業2年目の時に日本政策投資銀行主催の女性のための『新ビジネスプランコンペティション』で準優勝をいただきました。500万円の事業奨励金を獲得したことで、正社員採用に踏み切れました。」

「また、求人広告を出す金銭的な余裕はなく、基本的に採用はリファラルでしたが、創業時から理念型の経営をやっていて、初めて正社員で採用した営業メンバーは、まさにそういった理念に共感してぜひ働きたいとインフォメーションからご連絡くださった方でした。」

創業者自らが資源を作り出すために行動し、また限られた資源の中で採用活動を行ってきたそうです。そんな中ビジョンに共感して自ら門を叩いてくださった初めての正社員メンバーは運命的な出会いでした。

創業5~6年目には、「理念や価値観がなかなか共有できていない問題」。

「このころにはメンバーが30人弱ほどに増えていきました。その中で理念や価値観の共有に課題を感じるようになり、ビジョンを再定義することにしました。 そうして誕生したのが「Live your life」というビジョンでした。 ミッションバリューも新たに策定し、リブランディングすることで、自分たち自身の理念や価値観をなるべく言語化・見える化して共有していきました。」

「またこのころ、チームマネジメントとしてOKR(Objectives and Key Results) も導入しました。 最近では「HiManager」というツールを入れ、OKR の進捗状況の見える化や共有をしています。メンバーは首都圏以外のエリアにもおり、リモート経営の中で同じ目線で活動できるような取り組みをしています。」

現在の課題は、「営業担当者の適切な採用と育成・定着支援」。

ここ1~2年は、採用・人材育成が課題です。母集団形成の取組みについても話が出ました。

「最近はリファラル採用にとどまらず、どのような母集団をどのように作るのか、より戦略的に検討するようになりました。自社を知っていただく手段としてホームページやメルマガ、SNSに加えてWantedlyやNoteなどの社外メディアも活用しています。」

現在も模索中とのことですが、人事戦略から落とし込んで母集団を形成し、適切なメンバーの採用に尽力しているそうです。

「また入社後の「オンボーディング」にも力を入れています。既存メンバーがもっている個々のノウハウの抽出・共有を通じて、育成プランや内容を都度ブラッシュアップしています。」

▶業務委託の活用
弊社メンバーには、業務委託人材も多くいます。事業に欠かせないマーケティングや広報といった職種で長年ご活躍をしていただいている方もいますし、業務委託から正社員に形態を変えたメンバーもいます。
業務委託人材の捉え方として、田中はこう語ります。

「あくまでWarisは、創業当時から業務委託を「アウトソース」ではなく「パーシャル」な存在として認識し、ひとりのメンバーとして関わってきました。ですので、全社定例会議やキックオフなどにも参加されています。」

2.Waris組織の特徴

後半は、株式会社ゼロワンブースター コミュニティ開発部 ディレクター ブランスクム 文葉様と田中が、ご参加者様からいただいた質問も含めてQ&A形式で対話しました。

▶フルリモートでの組織づくりの工夫は?

創業当初からリモート経営を行ってきたWarisの働き方の特徴は以下の通りです。
・フレックスタイム制度を導入。コアタイムは2時間
・出社回数の制限はない。必要なときにオフィスに行く
・副業OK

また、フルリモートで起こりがちといわれる課題といえば、コミュニケーション不足が挙げられます。その解消策として、田中は下記2つの施策を紹介しました。

①チームコミュニケーション施策 「ワリホ/カルイノチーム」
「ワリホ」とは、ワリスホームルームの略です。リモートワークでは、ちょっとした雑談がなくなりがち。そこで、メンバーをランダムにチーム分けして、月1回のオン/オフラインランチ会や自己紹介タイムなどを行っています。業務を超えたつながりを生み、関係性の質を向上させることで、業務のパフォーマンスを向上させることを目的としています。

また、このような社内コミュニケーション企画を推進しているのが「カルチャーイノベーションチーム」です。有志のメンバーが本業務と兼務で担っています。

ここで、『有志の活動は評価につながるの?どうやってアサインしているんですか?』というご質問が。

「もちろん、カルイノでの活動も組織への貢献と捉え、期末のレビューでは見ています。アサイン方法は、まず、有志で手を挙げてくださった方を人事と共同代表で調整します。本業務とのバランスをみて、業務時間中に収まるようなボリュームでと約束しています。メンバー構成は、人事メンバー1~2名、その他は視点が偏らないように様々な役職、部署からアサインしています。」(田中)

ブランスクム様からは、このような社内コミュニケーション活動に役員をおいている他社事例もご紹介いただき、組織のつながりを強固にすることの大切さがよく理解できました。

②1対1コミュニケーション施策
バーチャルオフィス空間のoViceを利用しており、ちょっとした声かけがしやすくなっています。また1on1も積極的に取り入れています。それによってリモートで見えにくい相手の状態を見ることができます。管理というより、お互いをより知る意味で活用しています。

▶フルリモートでの事業運営のスタンスは?

「性善説に立って事業運営をしてきました。リモート経営をやってきて感じていることは、リモートでさぼる人よりも、むしろ働き過ぎてしまう人のほうが多いこと。ライフとワークの境目がはっきりしなくなってしまうので、長時間働けてしまうんです。むしろそのケアのほうに注力しています。」

「また、自由と責任という意識は大切にしています。天秤の両方にのっていますが、コミットメントがある上で自由が成り立つということはメンバーによく話していて、私たち共同代表の共通の価値観でもあります。」

まとめ

今回のウェビナーでは、Warisのこれまでの歩みを題材にしながら、スタートアップの成長フェーズごとに起こりがちな「人・組織」まわりの課題と打ち手を、参加者とともに共有していきました。

足元の課題だけでなく、先の未来を見据えて人材戦略を考えるヒントとなりましたら嬉しく思います。

Warisでは、これからもスタートアップ企業の成長を支援するための様々なウェビナ―を開催していく予定です。お気軽にご参加ください。

共催企業:株式会社ゼロワンブースター様のご紹介

2012年、「日本を事業創造できる国にして、世界を変える」をMissionとして創業。
『創造をルーティンに』というモットーで、様々なプログラム・サービスを通じて、事業開発・人材開発・組織開発に貢献する事業パートナー。
インキュベーション施設『有楽町SAAI Wonder Working Community』も運営。企業家と対話・交流をしながら、新規事業・新産業創出支援を担っています。

コーポレートサイト:https://01booster.co.jp/
SAAI公式サイト:https://yurakucho-saai.com/

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