スタートアップの成長段階とは?フェーズ別の組織課題を解説

スタートアップが抱える経営課題は、「シード期」「シリーズA期」「シリーズB以降」など、成長段階(フェーズ)によって大きく変わります。同じ「人材が足りない」という悩みでも、シード期とIPO準備期では、必要な人材のタイプも、採用の緊急度もまったく異なります。

本記事では、資金調達ラウンドを軸にスタートアップの成長段階を整理し、フェーズごとに起きやすい組織課題と、その対応策を解説します。なお、「創業何年目までがスタートアップか」という年数の定義については、別記事(スタートアップは何年まで?)で詳しく解説していますので、気になる方はそちらもご覧ください。

1. なぜ「フェーズ」で組織課題を捉える必要があるのか

スタートアップの成長は、年数ではなく資金調達ラウンド(シード→シリーズA→シリーズB以降)という節目で語られることが多くあります。各フェーズは、事業規模・売上・組織人数の拡大に応じて区切られており、フェーズが進むごとに「証明すべきこと」「必要な人材」「投資家が見るポイント」が切り替わります。

自社が今どのフェーズにいるかを正しく認識できていないと、「まだシード期なのに拡大期の組織設計をしてしまう」「拡大期に入ったのにシード期の少数精鋭体制を続けてしまう」といったミスマッチが起きます。

2. シード期:土台づくりの時期に起きやすい組織課題

シード期は、事業アイデアの実現可能性を検証する初期フェーズです。資金調達額は数百万円〜数億円程度が目安とされ、エンジェル投資家やシードアクセラレーターからの調達が中心になります。

この時期に起きやすい組織課題は次の通りです。

創業メンバーが全業務を兼務しており、専門領域(経理・法務・労務など)が手薄になる
・少人数のため、属人化のリスクが極めて高い(1人が抜けると業務が止まる)
・正社員採用をする余裕(採用コスト・オンボーディング体制)がまだない

この段階では、正社員採用よりも必要な専門知識だけをスポットで補う動き方が現実的です。経理・法務などの専門性を、必要な時間だけ業務委託で確保する企業が増えています。

3. シリーズA期:PMF達成後の「攻めの拠出」局面

シリーズA期は、プロダクトが初期ユーザーに受け入れられ、プロダクトマーケットフィット(PMF)が成立し始めた段階です。ここから「作る」フェーズから「広げる」フェーズへの転換が始まります。

この時期に起きやすい組織課題は次の通りです。

・事業拡大のスピードに、採用が追いつかない(特に営業・マーケティングの中核人材)
・バックオフィス(人事・経理)の仕組み化が後手に回る
・創業メンバーだけでは対応しきれない専門業務(人事制度設計、資金管理など)が増える

この段階から、採用戦略そのものを設計できる人材の必要性が高まります。実際に、創業1〜3年のIoTベンチャーが、営業職の複数名採用という難易度の高いポジションに向けて、採用経験豊富なプロ人材を業務委託でアサインし、採用戦略の企画から面接調整・スカウト実務までを任せた事例もあります。単なる「穴埋め」ではなく、採用の「型」を作るパートナーとして機能した点が評価されました。

こうした専門人材の活用について、まずはサービス内容をご確認ください。
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4. シリーズB以降:組織的拡大期に立ちはだかる壁

シリーズB以降は、事業の型がある程度確立し、組織規模を一気に拡大する局面です。人数が数十名〜百名規模に増えていく中で、次のような組織課題が顕在化します。

・「創業初期のカルチャー」と「組織としての仕組み」の間にギャップが生まれる
・中間管理職が育っておらず、マネジメント層の不足が事業のボトルネックになる
・人事制度・評価制度が整っておらず、急拡大した人員の定着率が課題になる

この段階では、経営企画・人事制度設計といった「仕組みを作る」専門性が特に求められます。社内に前例がない業務ほど、外部の経験豊富なプロ人材の知見が有効です。

5. IPO準備期(レイター期):制度・ガバナンス対応の重み

IPOを見据えるレイター期に入ると、組織課題の性質が大きく変わります。事業成長そのものよりも、内部統制・ガバナンス体制の整備が経営の重要テーマになります。

この時期に起きやすい組織課題は次の通りです。

・内部統制・監査対応など、IPO準備特有の専門業務に対応できる人材が社内にいない
・経理・法務の体制を、短期間で「上場企業レベル」に引き上げる必要がある
・経営中枢を担える人材(CxO候補)の採用競争が激しく、正社員採用だけでは間に合わない

実際に、IPO直前・急成長中のIoTベンチャーが、採用経験豊富なフリーランス人材を業務委託でアサインし、経営上重要な採用ポジションの実務から「型」作りまでを推進した事例があります。経営の中枢に関わる業務を、必要な期間だけ専門人材に委ねることで、組織拡大のスピードを止めずに対応できた好例です。

6. フェーズが変わっても共通する、人材戦略の考え方

シード期からIPO準備期まで、フェーズごとに課題の中身は変わりますが、共通しているのは「正社員採用だけでは、必要なタイミングに必要な専門性を確保しきれない」という構造です。

シード期:専門知識をスポットで補う
シリーズA〜B期:採用戦略・組織設計そのものを専門人材に委ねる
レイター期:ガバナンス対応など、上場企業レベルの専門性を短期間で確保する

正社員採用とプロ人材の業務委託を組み合わせる「ハイブリッド型」の人材戦略は、フェーズを問わず有効な考え方です。

7. まとめ:自社のフェーズを正しく認識することが第一歩

スタートアップの組織課題は、年数ではなく成長フェーズ(シード→シリーズA→シリーズB以降→IPO準備期)によって性質が変わります。自社が今どのフェーズにいるかを正しく認識し、そのフェーズに合った人材戦略を選ぶことが、事業成長を止めないための第一歩です。

正社員採用が追いつかない期間や、社内に前例のない専門業務については、必要な期間だけプロ人材を活用するという選択肢も有効です。自社のフェーズに合った組織づくりについて、お気軽にご相談ください。

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