ワークライフバランスは個人の取り組みで変わる!明日からできる具体策5選
「ワークライフバランス」という言葉はすっかり定着しましたが、ご自身の実感としてはいかがでしょうか。「会社は『早く帰れ』と言うけれど、仕事量は減らない」「制度はあるけれど、周りの目が気になって使いづらい」といった悩みを抱えている方も多いかもしれません。
会社の制度や風土が変わるのを待つことも大切ですが、それだけでは今の忙しさやストレスはなかなか解消されません。実は、毎日のちょっとした習慣や時間の使い方といった「個人の取り組み」を変えるだけで、仕事とプライベートのバランスは驚くほど整いやすくなります。
この記事では、明日からすぐに実践できる、個人レベルでのワークライフバランス向上テクニックや考え方について詳しく解説します。自分らしい働き方と暮らしを取り戻すためのヒントを、一緒に探していきましょう。
1. なぜワークライフバランスに「個人の取り組み」が必要なのか

働き方改革により多くの企業で制度が整いつつありますが、それだけで全ての人が幸せになれるわけではありません。制度はあくまで「枠組み」であり、それをどう活用し、どう生きるかを決めるのは自分自身だからです。
会社からの指示を待つ受動的な姿勢ではなく、自分自身の幸福度をコントロールする主体的な意識を持つことが重要です。「自分にとって何が大切か」を軸に個人の取り組みを進めることで、会社の方針に左右されすぎない、安定した精神状態を保つことができます。
【仕事編】効率を上げて時間を生み出す取り組み
ワークライフバランスを実現するための第一歩は、やはり長時間労働の是正です。個人の工夫で業務効率を上げ、定時で帰るためのアプローチを見ていきましょう。
「Can(できること)」と「Must(すべきこと)」に集中して迷いを減らす
業務効率化のテクニックも大切ですが、仕事のモヤモヤを減らすには「何のために働いているか」という軸を持つことが最も効果的です。キャリア論には「Will(やりたいこと)・Can(できること)・Must(すべきこと)」というフレームワークがあります。
もし今の仕事で「やりたいこと(Will)」が見えずに悩んでいるなら、まずは目の前の「すべきこと(Must)」と「できること(Can)」に集中してみてください。株式会社Waris代表の田中も、目の前の業務に一生懸命トライしたり、自分にできることを探したりする中で、徐々にやりたいことが見えてくると語っています。迷う時間を減らし、目の前のタスクに集中することは、結果として精神的なワークライフバランスを整える大きな助けになります。
「柔軟な働き方」を活用し、自律的に時間をコントロールする
リモートワークやフレックス制度などの「柔軟な働き方」は、子育て中の人だけでなく、すべての人にとってワークライフバランスを整える有効な手段です 。 通勤時間を削減してプライベートの時間を確保したり、集中できる環境を自分で選んだりと、制度を「使う」だけでなく、自分のリズムを作るために「活かす」意識を持つことで、仕事の生産性と生活の質を同時に高めることができます。
【生活編】プライベートの質を高める取り組み
仕事の時間を減らすだけでなく、プライベートの時間をどれだけ充実させられるかも重要なポイントです。心身ともにリフレッシュするための個人の取り組みを紹介します。
オンとオフの切り替えスイッチを持つ
テレワークの普及により、仕事と私生活の境界線が曖昧になりがちです。そのため、自分なりの「切り替えスイッチ」を持つことが大切です。
例えば、仕事が終わったらPCを完全にシャットダウンして見えない場所に片付ける、部屋着に着替える、短時間の散歩に出るなど、脳に「仕事終了」の合図を送るルーティンを作りましょう。スマートフォンから仕事の通知をオフにするデジタルデトックスも、精神的な休息には不可欠です。
自分の新たな強みが見つかる「越境体験」を取り入れる
ただ体を休めるだけでなく、職場(ホーム)から離れて、普段とは違う環境(アウェイ)に身を置く「越境体験」もおすすめです。
趣味のコミュニティへの参加や、ボランティア、プロボノ活動など、会社の肩書が通じない場所で活動してみましょう。株式会社Waris代表の田中は、職場では当たり前だと思っていたスキルが、社外では「すごい!」「強みだね」と評価されることがよくあるそうです。 「アウェイ」での活動を通じて自分の意外な強みや価値に気づくことは、本業での自信につながり、結果として仕事と生活の好循環(ワークライフ・シナジー)を生み出します。
2. 長続きさせるためのマインドセット

取り組みを継続するためには、考え方(マインドセット)も重要です。
「キャリアの8割は偶然」と考え、変化を楽しむ
真面目な人ほど「将来のために今こうしなければ」と計画に縛られ、バランスを崩してしまいがちです。しかし、キャリア理論には「個人のキャリアの8割は偶然の出来事によって決定される(計画的偶発性理論)」という考え方があります。
長期的なプランをガチガチに固めるよりも、予期せぬライフイベントや環境の変化を「キャリアドリフト(節目ごとの柔軟な修正)」として楽しむ姿勢が大切です。「思い通りにいかないのが当たり前」と捉え、その時々の変化に合わせて柔軟に働き方をチューニングしていくことこそが、長く健やかに働き続けるための秘訣です。
3. まとめ
ワークライフバランスを整えるためには、会社の制度だけでなく、個人の主体的な取り組みが欠かせません。
仕事では「Can(できること)」と「Must(すべきこと)」に集中して迷いをなくし、時間を区切って働くこと。そしてプライベートでは、デジタルデトックスや「越境体験」を取り入れ、オンとオフを切り替えながら新たな強みを見つけることが大切です。全てを完璧にこなそうとせず、まずは今日できる小さなことから始めて、自分らしいバランスを見つけていきましょう。