営業企画フリーランサーが伝える、仕事獲得のための交渉術 ~第8回フリーランスサロン
フリーランス経験を持つ先輩ゲストにお招きし、みんなで一緒に幸せな働き方、生き方を考える『フリーランスサロン』。第8回目がSPACES大手町にて開催されました。
今回は、ホスピタリティ業界にて営業経験を積んでいらっしゃった菅原櫻子さんに、未経験の業界の仕事獲得や、報酬の交渉など、実際のところをお聞きしました。
(菅原櫻子さん)
日系航空会社にてCA、ウェディングプランナー、商業施設立上げ事業専門職を経て保育関連事業会社にて営業職へ転身。主に待機児童対策の一環として、企業人事や自治体・官公庁向けに女性が働き続けるための環境整備を担当し、コンサルティング営業として約8年間実績を積む。現在はパラレルキャリアとして複数の企業にて営業代行や営業企画、業務改善や教育などに従事。
フリーランス転向後、軌道に乗るまで
フリーランスになって丸2年となる菅原さん。前職はやりがいがあったものの、お子さんも小学生となり少し心に余裕が出てきて「自分の時間を自分で調整したい」と考えたことと、40代となり「新しいことをやってみたい」という気持ちが強くなってきたことがフリーランス転向の理由でした。
また、働く女性を支援する仕事に関わる中で、外側から支援する枠組みや場所を作っても女性の中身が変わらないと社会に変化を起こすことは難しいという実感もあり、まずは自分自身が稼ぐ女性を体現してみようと考えたことも理由の一つでした。
フリーランス転向後にまず始めたこと
菅原さんがフリーランス転向から現在までに行ったことをフェーズごとにご紹介いただきました。
1.7か月目まで~複数案件同時受注時期~
・エージェント登録
Waris型エージェント、マッチングサイト、求人情報のチェック等
・レジュメの作成
・公的申請
・経理ソフト準備
半年程は来るもの拒まず仕事を受けていましたが、企業によってコミュニケーションスタイルが異なるため、一定数を超えるとパフォーマンスが下がることに気づきました。
2.8か月から20か月まで~クライアント数を絞り込む時期~
・初めての確定申告/税理士契約
クライアントの絞込み、プロジェクト案件絞込み、契約更新/条件交渉、人脈構築
自分なりにバランスがとれる3社ほどにクライアントを絞り込みました。ポイントは「ビジョンマッチ」です。基本的に3か月契約か半年契約にしていたため、「他が忙しくなり今回で終了します」申し出て契約を整理し、クライアントを絞り込むことができました。
3.21か月目以降~私らしい事業・働き方の模索!~
・2回目の確定申告/税理士契約
クライアントの絞込み、プロジェクト案件絞込み、新規案件受注、契約更新/条件交渉
クライアントとの条件交渉や新規案件受注も行っていらっしゃいます。
仕事獲得と報酬・働き方の交渉術1~自分の理想形を考える~
菅原さんが考える、フリーランスとして働く上での理想形には「働き方」「業務」「報酬」の3つの軸がありました。
働き方:学校行事などの際は調整できる必ずしも毎日出社ではない、効率的な働き方をしたいと思っていました。将来的には数か月の長期休暇をとれるような働き方が理想です。
業務:スキルや経験を活かし、プロジェクトゴールが明確な業務を受けたいと考えていました。将来的には新たなスキルを身に着けたいと考えていました。
報酬:成果が対価としてわかりやすいものを選びたいと思っていました。前職の年収を超えること理想としていました。
仕事獲得と報酬・働き方の交渉術Ⅱ~仕事の探し方・報酬の考え方~
次に、お仕事の探し方と報酬の考え方です。
仕事の探し方では、自分の職種や勤務条件と相性がよいものを選びます。菅原さんの場合は、エージェント、マッチングサイトを主に活用しています。
報酬は、完全成果型は避け「固定+成果型」「時給換算型/月給換算型」を組み合わせて選んでいます。自分の希望単価は、エージェントのアドバイスを参考に設定し、その後は内容によって交渉しています。
フリーランスのメリット・デメリット(担当/業界領域、案件コントロール、収入/報酬)
フリーランスのメリット・デメリットでは、事前に思っていたことと、実際にやってみてわかったこととの間に違いがありました。
担当領域/業界では、経験・実績がある領域だけが守備範囲だと考えていましたが、実際には得意領域からの応用も可能でビジョンとスキルマッチしていれば領域を発展させることもできます。未経験の人材業界でのお仕事などを実際に受けることができました。
稼働時間内の案件コントロールは自由にできると思っていましたが、実際には安易に仕事を受けすぎてしまうとコントロールが難しくなることがわかりました。
収入/報酬では、報酬交渉とはシビアで高い交渉術が必要だと思っていましたが、実際には成果を出せば報酬を上げることができます。クライアントが満足する成果を出すことで案件も増やすことができるのです。
これから挑戦したいこと(卒業、チームランサー、新規事業)
菅原さんが考えるフリーランスとしての案件のゴールは「必要とされなくなること」です。クライアントの役に立ち、自分がいなくても困らない状態になる「卒業」が一つのゴールだと考えています。特定の企業の案件を継続して安定収入を得ることがゴールではないのです。
今後、取り組みたいこと一つはチームランサー型の案件受注です。一人では受けられない案件も、チームであれば受けられます。また、年齢を重ねる中で、手を動かす側から頭を動かして人を育てる側のシフトも考えています。具体的に、同じ営業企画のフリーランス仲間とのチームランサー型の案件受注の取り組みを始めているところです。
また、小さくても新規事業を個人ベースで立ち上げたいとも考えています。そのためにも、自分自身の単価を上げていきたいと思っています。
自分を必要としているクライアントに出会うために
菅原さんのお話の後のグループワークでは、参加者がそれぞれの理想の働き方・業務・報酬を書き出し、次に理想に近づくための仕事獲得法や具体的な報酬について、考える時間を設けました。
グループのメンバーからのアドバイスを受けて、仕事獲得方法が具体的になったという方や、今やるべきことが明確になった等の感想がありました。
最後に、これからチャレンジすることをグループ内で宣言していただきました。
最後に菅原さんから、「やりたいこと、成し遂げたいことを、もっと、自分からどんどん発信していきましょう」とメッセージをいただきました。
まだまだ少ないビジネス系フリーランスを探している企業に出会うためにも、フリーランス側の情報発信や宣言はとても大切だと実感されているそうです。
今回の皆さんとの出会いと宣言も、次につなげていきたいですね。
~ゲストの菅原櫻子さん、参加者の皆様、ご参加いただきありがとうございました~
文/島谷美奈子 写真/矢澤弘美 場所提供/SPACES大手町
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