多様な人材を活用して変化の多い時代を乗り切る!【多様性発信プロジェクト #1】

「多様性」と聞いたときに、みなさんはどんな印象を持ちますか?「多様性」は国籍や性別の話だけにとどまりません。私たちひとりひとりが多様ですし、それぞれの中に「多様性」があります。「多様性発信プロジェクト」では、Warisのメンバーひとりひとりが感じる「多様性」を発信していきます。社会全体で「多様性」について考えるきっかけに少しでもつながればうれしいです。


株式会社Warisの八木澤です。Warisでは、多様性に関しての視点を広げるさまざまな発信を進める活動を社内有志メンバーで取り組んでいます。その第1回目の発信として、私自身が感じた多様性についてお伝えします。

欧州在住の従兄から聞いたこと「どうして週4勤務ができないの?」

2-3年ほど前になりますが、週休3日や、週4勤務などのニュースが話題になっていたのを覚えている方も多いのではないでしょうか。話題の発端として挙げられたのが、ニュージーランドのパーペチュアル・ガーディアン(Perpetual Guardian)社の実験とその結果が公表されたからだと言われています。同社は全社員を巻き込んで2ヶ月間の週4日勤務を実施して、その結果を広く公表しました。そして、実際に週4日勤務をできる制度を正式に導入したそうです。

実は私自身も、週4勤務についてふと親戚から聞いたことがありました。幼少期からずっとドイツに暮らす従兄がおり、彼が帰国した際に耳にしたのです。お互いに子どもを持つ世代となり、私自身は子育てと仕事の両立に悩むことも多かったので、ふと彼に聞いてみたところ、彼からは「どうして、週4勤務ができないのか?ドイツでは男女問わず、状況に応じて柔軟な働き方を選択できるんだ。そういったことは日本でできないの?」と言ったのです。

時短かフルタイム、どうして二択だけ?

この一言は、私にとってとても新鮮でした。ニュースや報道により、欧州企業では子育て期などに両親ともに働き方を変えて、子どもとの時間を大切にしながら仕事を続けることをができていると聞いていましたが、それを目の前にいる従兄から、当たり前のこととして話されるとは思っていなかったからです。彼からは、本当にそれが当たり前になっているからこそ、日本の時短勤務の説明をしても「なぜ時短しかないのか?しかも、ほとんど女性が取得するってどういうこと?」という感じで質問攻めでした。(私の従兄は、国籍こそ日本ですが、ほとんどドイツ人として育っていると言ってもよい環境で育ってきています。)

私は新卒で入社した会社で、一生懸命仕事を覚え、仕事に自信が出てきて、周囲からも頼られるようになったタイミングで結婚しました。そこから、家族を持つことを考え始めたとき、その当時仕事で自分が満足する働き方をすると、子どもを生み育てるのは難しいだろうと感じました。同時にライフステージが変わった女性の先輩が、続々と時短勤務がしやすいサポート部署に異動する様子を目にしていました。その時に「どうして今の仕事をやりながら、子どもを産み育てることが出来ないのか。どうして、異動して職種を変える時短社員かフルタイムという選択肢しかないんだろう。子どもとの時間や自己研鑽のための時間も持つために週4勤務など、なぜ働き方を選べないんだろう、、」と本当に疑問に思いました。

既存の枠組みを変えるアクションができなかった

仕事も子どもも、自分にとっては両方叶えたい大事なことでした。ただ、同じ職種で子育て中のロールモデルとなる人がおらず、当時は早朝に出社して、夕方には時差があるロンドン支社とのやり取りが始まり、個人として早く帰宅できるように努力しても長時間労働をせざるを得ない体制での業務でした。

その状況を打破するべく、当時の私は、「子育てしながらも働き続けたい、だから業務の進め方をこう変えたい!」と所属する企業の上司や人事に伝えることができませんでした。それは、自分だけ違うことを認めてもらうような感覚があり、ただただ、今ある枠組みのなかで頑張らなければならない、と思っていたからです。結果として、大好きな会社だったけれど、ここでない場所、組織で働くしかないと思い、転職を決意したのでした。もし、当時の自分がアクションを起こし、多様な働き方の選択ができるように組織も変わっていたら、もっと多くの人が働き続ける選択ができたのでは、と思えてなりません。

働く個人がまず必要な声を上げるのはもちろんのこと、それを受けて会社も変わっていく、相互で取り組みを進めていけるといいですね。

今や子育てが女性中心というジェンダー意識も変わりつつあり、男性も子育てに積極的に関わりつつある世の中です。子育てにも積極的に関わっていきたいという男性にとっても、その思いを組織で伝えやすくなり、転職という選択肢ではなく、所属する企業でやりがいを持ちながら働き続けることができると思います。

多様な働き方による企業メリット

企業側にもメリットがあると思います。経験を積んで、これからも企業成長に貢献し続けられる人材を囲い込み続けられるのです。多少ペースダウンする時期があったとしても、それはずっと継続されるものではなく、それ以上に離職者の業務を担える新しい人材を探し、育てるコストと比較すると、メリットを感じていただけるかと思います。

私の働くWarisでは利用期間や理由の定めがない時短正社員制度を設けており、「クロス社員」と呼んでいます。「クロス」という名称に込めた思いは、仕事×育児・介護などの家族との時間、ボランティア活動・地域活動の時間、兼業や学びの時間など、Warisでの勤務時間を短くすることで自分らしい生き方をデザインして相乗効果を出してほしいという想いからです。つまり、育児や介護など特別な理由がある人だけが申請する制度ではなく、すべての社員にとっての平等な制度であり、自分自身のキャリアを築くために、必要なときに必要な期間を選択していけるのです。実際に、育児や介護だけでなく、副業やボランティア活動など、様々な活動をしながらイキイキと働くメンバーが多く、離職率も少ない状況が続いています。まさに働き方をデザインできる選択肢があるのです。

外部人材の活用によるメリット

組織にとっては外部から新しい人材を迎え入れることによるメリットにも、目を向けないといけません。外部の視点を持ち、経験やスキルの高い人材が新しい刺激となり、組織内の成長スピードが変わることを経験された方も多くいらっしゃると思います。そういった人材に中長期的に活躍してもらうためにも、多様な働き方を受け入れる組織に変わることは、とてもメリットがあると言えるのではないでしょうか?

Warisの取引先企業様は、事業成長するために必要な人材をすぐに、かつその業務経験と実績のある「プロ」にお願いして、迅速な課題解決を目指したいという組織ばかりです。だからこそ、働き方にはこだわらず、週3日程度の業務量でも良いし、必要な場合以外はリモートにて業務を進めてもらって構わない!という柔軟な条件にて人材を受け入れて下さっています。これを直接雇用の採用という形で達成しようとすると、かなりの時間とコストがかかることはご想像の通りです。もちろん、企業様によっては「将来的にはフルコミットメントをしてくれる人材を、、」というご依頼もいただきますが、そういった企業様にも、まずはその方との組織との相性や、課題解決スピードを判断するためにも、業務委託でのスタートをご提案して、多くの人材が業務委託から関わりつつ、双方の合意を経て、正社員としてフルコミットしているケースも多く見られます。

働き方の柔軟性と多様な人材で変化を乗り切る

コロナという大きなパラダイムシフトを経て、多くの企業が在宅勤務などを中心とした、柔軟な働き方に舵を切ることとなりました。同質の社員で組織運営することのほうが、経営者としてスムーズであろうとは思います。しかし、これからの変化が激しい時代に生き残り、成長し続けるためにも、働き方の柔軟性を高めて、多様な人材が混ざり合い、化学反応を起こしながら変化に立ち向かうことができる組織が増えていくことを願っています。

【Waris多様性発信プロジェクトより】
「多様性」は国籍や性別の話だけにとどまりません。私たち一人ひとりが多様ですし、一人ひとりの中に「多様性」があります。互いが持つ「多様性」を尊重しながら、力を発揮していけたら素敵ですよね。今回の記事が少しでもご参考になればうれしいです!

執筆者プロフィール
八木澤寛子
大学卒業後、大手証券会社の総合職として、法人営業や商品開発を計8年経験。その後、外資系の金融メディアのアシスタント業務と記者業務を6年弱担う。その間に2児を出産。女性のキャリア支援を手掛けるベンチャーを経て、2021年9月にWarisにリクルーティングコンサルタントとして入社。

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