【個人事業主】収入なし・赤字でも保育園は継続できる?「就労実績」の壁を越えるコツと焦らないための考え方
個人事業主として働いていると、開業したばかりの時期や、思うように売上が立たない月など、どうしても収入が不安定になることがあります。
「収入なしの状態が続くと、保育園を退園になってしまうのでは?」と不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
女性のキャリアは結婚や出産などのライフイベントの影響を受けやすく、働き方も「会社員」だけでなく、フリーランスや副業など選択肢が広がっています。
実は、保育園の審査において重視されるのは「稼いでいる金額」そのものではありません。仕組みさえ正しく理解していれば、一時的に収入がゼロであっても、焦らず事業と子育てを両立することは十分に可能です。
この記事では、収入がない状態でも保育園を継続できる根拠と、自治体へ事業実態を証明するためのポイント、そしてキャリアの停滞期を前向きに捉えるためのヒントを解説します。
1. 収入なしでも個人事業主は保育園を継続できる?
結論から申し上げると、収入がなし(売上ゼロ)や赤字の状態でも、保育園の継続は可能です。
なぜなら、保育園に入園・在園するための基準である「保育の必要性」は、どれだけ稼いでいるかではなく、「常態として仕事をしているかどうか(労働実態)」で判断されるからです。
まずは、保育園継続の基本的な考え方について整理していきましょう。
「就労」とみなされる基準は金額ではない
自治体が定めている保育園の認定基準において、個人事業主の「就労」とは、主に労働時間や労働日数を指します。例えば、「月〇〇時間以上の労働」「週〇日以上の勤務」といった条件を満たしていれば、たとえその月の利益が出ていなくても「保育が必要な状態」と認められます。
会社員の方でも、育休中や病欠中で給与が減ることはあっても、在籍していれば「就労」とみなされるのと似ています。個人事業主の場合も、仕事に従事している時間があることが証明できれば問題ありません。
開業準備期間や売上が立たない時期の扱い
開業して間もない時期や、大きな案件の合間で売上が立たない月があるのは、個人事業主にとって珍しいことではありません。自治体側もその点は理解しています。
重要なのは、単に「暇で休んでいる」のではなく、営業活動、制作活動、事務処理などの「事業に関連する活動」を行っているという事実です。これらも立派な労働時間に含まれますので、自信を持って申請しましょう。
2. 収入なしの状態で注意すべき「実態証明」の壁

収入の有無そのものは退園理由にはなりませんが、「本当に仕事をしているのか?」と疑われてしまうと、継続が難しくなるケースがあります。収入がない時こそ、事業の実態を客観的に証明することが重要になります。
確定申告書や開業届の重要性
年に一度の現況届(継続申請)の際、個人事業主は就労証明書と合わせて「確定申告書の控え」や「開業届の写し」の提出を求められることが一般的です。
もし収入がゼロであっても、赤字で確定申告を行っている事実があれば、それは「事業を行っているが、利益が出ていないだけ」という証明になります。逆に、確定申告をしていない(住民税の申告もしていない)状態だと、「無職」と判断され、求職活動区分(就労期間が短い区分)への変更や退園を求められるリスクが高まります。
売上がない期間の活動記録を残しておく
万が一、自治体から「収入がないようですが、どのような活動をされていますか?」と問われた際に備えて、日々の記録をつけておくことをおすすめします。
・取引先とのメールや打ち合わせの記録
・制作物やブログ、SNSの更新履歴
・営業活動のスケジュール帳
これらは、いざという時に「働いていること」を証明する強力な材料になります。
3. 収入が安定しない時期こそ「コアスキル」を磨く準備期間と捉える
事業が思うようにいかず、長期にわたって収入なしの状態が続きそうな場合、焦りから「自分には価値がないのでは」と自信を失ってしまうこともあるかもしれません。しかし、キャリアの8割は偶発的なことによって決定するという「計画的偶発性理論(キャリア・ドリフト)」という考え方があります。
人生やキャリアは思い描いた通りに進まないことも多く、予期せぬ変化が起きるものです。収入が思うように上がらない時期は、無理に結果を急ぐよりも、将来のための準備期間と捉えてみてはいかがでしょうか。具体的には、自分の強みや得意領域である「コアスキル」を磨いたり、目の前のできること(Can)ややるべきこと(Must)に丁寧に取り組んだりする時間に充てるのです。
もちろん、保育園継続のために以下の手続き上の対策も検討しましょう。
「求職活動」への認定変更も選択肢
一時的に事業を縮小・中断する場合は、認定区分を「就労」から「求職活動」へ変更する相談を自治体に行いましょう。猶予期間(通常3ヶ月程度)が設けられるため、その間に事業の方向性を練り直したり、パートなどの兼業を検討したりと、次のキャリアへの「ドリフト(漂流)」を前向きに許容する時間を作ることができます。
4. 収入額よりも「働いている事実」が大切です
個人事業主が収入なしの状態で保育園を継続できるかどうかは、利益の金額ではなく「労働の実態があるか」で決まります。売上がゼロであっても、きちんと開業届を出し、確定申告を行い、日々の業務を行っている記録があれば、過度に恐れる必要はありません。
ただし、自治体によって判断基準の厳しさは異なります。もし不安な場合は、一人で抱え込まずに役所の保育課へ相談に行きましょう。「事業を頑張って続けたい」という意志を伝えれば、適切なアドバイスをもらえるはずです。
人生には様々な変化が起きますが、Waris代表の田中美和も語るように「キャリアにアップもダウンもありません」。今は収入がなくても、それは長い人生における「柔軟な変化」の一部だと捉えてみてください。お子さんの預け先を確保しつつ、ご自身のペースで前向きに事業と向き合っていきましょう。
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